この映画を初めて見たのは映画館ではなくテレビの深夜劇場だった。森繁久彌がいつもの人情家で好色な社長ではなく非情で遣り手の重役に扮し、そんな森繁久彌が一人娘の星由里子の結婚からノイローゼになり仕事もスランプとなるがある晩に知り合った街娼の団令子に心癒されファイトを取り戻すという大人向きのサラリーマン映画だ。いつも森繁久彌を優しく見守るバーのママ、草笛光子が良い味を出している。