一応ストーリーがあって中村獅童が踊ったり立ち回りを見せたりしているがそんな事はどうでもいい。中村獅童が客をあおりペンライトを振らせて大向うを掛けさせ舞台と客席を一つにさせようとする観客参加型の新しいエンターテイメントを中村獅童は目指していて歌舞伎はその為の手段に過ぎない。そこが超歌舞伎の弱い処だ。せっかく初音ミクという素材を得て、NTTの最新技術という武器を得ているのだからそこで歌舞伎のエンターテイメント性、アクロバチックな立ち回りの凄さを見せて本当に客席を感動させての上のペンライトであり大向うであったらどれくらい素晴らしかったか。それを手抜きしてしまったので形ばかりの盛り上がりになっているのが残念です。しかし中村獅童の熱演と歌舞伎を盛り上げようとする努力は評価に値する。ルパン三世よりはずっと面白かったから。中村屋兄弟がたいした役でもないのに出演しているのはラストのお祭り騒ぎに参加したかったのね。本当にお祭りが好きなんだから。