井上梅次は東映現代劇オールスターで暗黒街最大の決斗と暗黒街最後の日の2本のギャング映画を撮っている。どちらもラストのギャング団の撃ち合いがド派手で面白かった。本作はその2本に続く東映暗黒街シリーズ3作目だがオールスターから鶴田浩二が抜けストーリーもつまらなくなった。金子信雄親分の為に命を張って尽くした流れ者のやくざ、大木実がその金子信雄によって殺されて遺児の高倉健、梅宮辰夫、待田京介の三兄弟がまたしても金子信雄の陰謀で三人共に殺されてしまうというなんとも救いの無い物語なのだ。ギャング映画では登場人物が全て死んでしまうというのは良くあるパターンだが本作は金子信雄と安部徹の二人の悪親分が生き残るから余計フラストレーションが溜まってしまう。しかし良いやくざが殺されて金子信雄だけが生き残るって仁義なき戦いを10年前に先取りしていたとも言えるね。