尾上菊之助によるインド歌舞伎6年振りの再演だ。この歌舞伎を初めて観るドルシネア姫は感激していたがあっしの感想は6年前と同じだ。せっかくインド歌舞伎を演るんならインド映画のようにドラマは深刻でもダンスシーンになると途端に陽気になる。あれをやって欲しかったのに踊りが真面目なのがおもろない。6年前に比べると配役が薄手になった。例えば前回中村七之助が演った仇役の姫が今回は中村芝のぶだ。これはとても素晴らしい事だと思う。実力がありやる気もある大部屋役者を大役に抜擢する。尾上菊之助の大ヒットだと思う。また中村芝のぶだも大抜擢に応えて期待以上の好演を見せている。その上で言うのだがこの役こそ寺島しのぶが演るべきだったのではないか。はっきり言って文七元結のおかみさんなんて誰が演っても一緒、中村雀右衛門でも良いんで寺島しのぶが演じる必然性がなかった。