一言で言えば酷い❗これは若松プロの残党による反国家、反権力映画だ。先ず脚本がうるさ過ぎる。1本の映画の中に自分たちの思想を全部入れようとして肝心のテーマを薄くしてしまっている。福田村事件の恐ろしさは素朴で優しい村人がデマに怯え恐怖にかられて殺人鬼と化すところにある。それをこの映画の脚本は最初から村人はデマを信じる無知な輩として描いている。それではこの事件の本質がぼやけてしまう。また登場人物にわざとらしいインテリを出すのも嫌だ。自警団に朝鮮人と間違えられて殺されようとする被差別部落の少年が水平社宣言を唱えるシーンにはどっちらけした。人間生きるか死ぬかの時にそんな事言うもんか。脚本の暴走だ。リアリズムを何と心得るか。愚か者めが❗往年の若松プロ作品なら反国家、反権力映画を作ってもエロいシーンがあるから辛抱したが本作は田中麗奈が脱がないんだもん。ただ気持ち悪いだけが残った。後味の悪いの何のって。今年のワースト1決定。本作を見たくないと言っていた竹内義和の慧眼を評価する。