この

頃の石原裕次郎に二人の世界、夜霧よ今夜もありがとうと吹き込む歌が連続して大ヒットしていずれも映画化されたが二人の世界は傑作とはいえない。それに引き換え本作はハンフリー、ボガードの名作、カサブランカを下敷きにした物語で日活ムードアクションの傑作だ。ある映画評論家が日活アクションとはヒーローの自己回復のドラマだと言っていたが本作でのラストの石原裕次郎がかつての恋人、浅丘ルリ子に言うセリフ、僕たちは1500回の昼と夜を取り戻した。それでいいじゃないか。がそれを証明している。しかし石原裕次郎のムードアクションの最高傑作は赤いハンカチだ。最近名画座での上映機会が無いのが寂しい。どこさで上映してくれないかしら。