1984年の作品であっしは32歳でした。それまで中途半端な役者でその才能はむしろ名エッセイストとして知られていた伊丹十三の監督デビュー作で伊丹十三は本作で映画監督としての才能を認められてこれ以降日本映画界のヒットメイカーとなった。本作で一番はっきり覚えているのはお通夜に訪ねて来た愛人の高瀬春奈と山崎努が喪服でSEXする場面だ。あっしはブランコでSEXをしたと思っていたが映画を見直すと二人がSEXをしているシーンとカットバックでブランコをこいでいる宮本信子のシーンが描かれていてブランコに乗りながらSEXするんじゃなかったんだ。じゃあはっきりおぼえてないじゃんか。ブランコでSEXしたのは前田五郎師匠で相手は日吉ミミでした。香川良介、田中春男、藤原釜足の老優が懐かしくまた網走番外地シリーズで高倉健を虐める悪い看守役の関山耕司も出ていたんだね。公開時には想像もしなかったが39年後の今日見直すと死んだ仏の身になって映画を見ている自分に驚いた。そう遠くない将来あっしもこうなるんだって。その時誰にお葬式を取り仕切って欲しいか自分の気持ちは定まったのが今日の何よりの収穫でした。