曽我兄弟が父の仇の工藤佑経に逢うが仇討ちをせずに後日の再会を約して別れるというだけの話だ。あっしにとってこんな退屈な演目はない。あっしはこの演目を芝居として認めない。只のセレモニーに過ぎない。中村梅玉の工藤、尾上右近の曽我十郎に尾上松也の曽我五郎は特に言う事なし、唯一人、坂東巳之助の小林朝比奈だけがセリフが素晴らしく銭の取れる芸だ。