この芝居を観たくて姫路までやって来た。中村七之助の富姫、芸格が大きくなった。坂東玉三郎の指導の下、泉鏡花の幽玄の美の世界を見事に演じて魅せた。何よりこの演目が坂東玉三郎の後の世代に受け継がれたのがありがたい中村勘九郎と中村扇雀はさすがの技巧を見せたが中村虎之助の図書之助、良く演ってはいるが美しさが無い。この役はイケメン役者に演じて欲しかった。例えば市川染五郎か市川団子で、中村鶴松の亀姫も役が重過ぎた。この役も理想は中村米吉だねえ。片岡亀蔵は泉鏡花の芝居には似合わない。最後に後ろを開けて本物の姫路城の天守閣を見せる趣向はさすがに盛り上がる。実際には天守閣は見えずに石垣だけだからあれじゃあ天守物語じゃなくて石垣物語だよなんて野暮な突っ込みはしない。帰り道で片岡亀蔵から姫路までご苦労様と声を掛けられた。着替え早っ。観劇の打ち上げは朝目をつけておいた隠岐島料理の店で我が愛しのドルシネア姫、清水夫妻に名古屋の片桐君、合田Dとで盛り上がる。我が愛しのドルシネア姫に話があったのだが彼女酔っ払ってそれどころじゃあなかった。相変わらず女子力が無いんだから。仕方ない、作戦Bで行こう。