戦後の日本映画に柔道物というジャンルがあった。ルーツは黒澤明のデビュー作、姿三四郎で戦後GHQによるチャンバラ禁止令によって急に伸びたと思われる。本作は三船敏郎が姿三四郎のような天才柔道家でヒロインが香川京子、彼女に振られた過去を持つライバルの柔術家が小堀明男で彼と共闘する沖縄の空手家が田崎潤、ライバルを柔術家と空手家の二人にした事で姿三四郎、正続2本分の面白さを狙った作品となっている。娯楽映画の名匠、谷口千吉監督作品なのでつまらない筈はないがフィルム状態が悪くて見ていて目が痛くなった。