戦中は右翼の思想家として多くの若者たちを戦死させ戦後は密輸で金を儲けて再び日本を戦前のような国にしようとしている右翼の大物、滝沢修を殺した戦争未亡人、宮城野由美子の回想によって日本の戦中戦後の混乱を描き右翼を告発する劇団民芸の思想映画だ。香川京子はヒロイン宮城野由美子の弟の恋人役で戦後麻薬中毒になるという清純派の彼女にしては珍しい役です。本作とはあべこべに左翼がその資金獲得の為に麻薬の密輸をする映画もあったね。大滝秀治が冷血漢の憲兵役、この人最初は悪役キャラだったんだよね。倉本聰によって善人になっちゃったけどあっしは悪役時代の大滝秀治の方が好きでした。