仏道修行していた真面目な修行僧、清心が十六夜と出逢って女犯の罪を犯して寺を追放され京に上がって再び仏道修行をやり直そうとするが十六夜と再会して彼女が自分の子を孕んでいる事を知りもう生きてはいられないと二人で心中するも助かってしまいせめて十六夜の菩提を弔おうとたまたま通りかかった若衆が大金を持っているのを知ってその金を奪おうとして誤って殺してしまう。ますます生きてはいられないと死のうとするが死にきれず折からの月の光に悪心が芽生えて悪人になって生きていこうと決意する。そうです。これが河竹黙阿弥です。松本幸四郎の清心、中村七之助の十六夜は共に初役ながら大健闘、欲をいえば白蓮が中村梅玉ではなく松本白鸚で見たかった。いつもは一幕だけの上演だが今月は通しで上演してくれるのも嬉しい。