しかし映画には映倫という野暮な機関があって悪が勝つというストーリーを当時はみとめなかった。だから本作も原作通りに主人公がアメリカに旅立つシーンの後でアメリカ到着後に逮捕される事を暗示するラストシーンになってしまっているのが残念でならない。あっしが落語家になった頃楽屋で川柳師匠が大藪春彦の本を読んでいたのを覚えている。当時の落語家としてはセンス良かったんだねえ。そんな川柳師匠が最後は自分が川柳川柳である事もわからないように呆けてしまうとは。今日読んだ週刊誌によると趣味のある老人は呆けないってさ。あっしなんか趣味が服を着ているようなもんだから絶対に呆けませんやね。