国立映画アーカイブ3時の回は東宝短編映画2本立てだ。先ずは本作、人間誰しも心の中に飼っている鬼が顔を出すと大変な悲劇を呼ぶという吉屋信子原作の文芸サスペンス映画、普段は善良な人間を演じている加東大介が主人公を演じるのが反って怖い。衝撃のラストに伊福部昭の重厚なサウンドがピタリとはまる。加東大介が住む部屋の大家役、清川玉枝が巧い。