姫路城に招かれた宮本武蔵が姫路城に住み着く妖怪と豊臣秀頼の幽霊を退治するという新作歌舞伎で中村吉右衛門が自ら本を書き宮本武蔵を演じて姫路城で上演したものが今回初めて歌舞伎座での上演となった。宮本武蔵は中村歌六が演じている。はっきり言って面白い芝居ではないが今回の見処は豊臣秀頼の幽霊を中村勘九郎、妖怪を中村七之助が演じている事だ。中村吉右衛門と中村勘三郎は本名が同じ波野で近い親戚なのだがこの二人が大喧嘩をして絶縁状態になっていたのだ。喧嘩の訳を関係者から聞いたがこれは中村勘三郎が悪い。中村吉右衛門が主役の舞台で彼が中村勘三郎の芝居に注文をつけたのに中村勘三郎が腹を立ててしまったのだから。相手は先輩であり主役なんだから腹が立っても辛抱しなきゃあ。それから二人は共演しなくなったのが中村勘九郎が自分の襲名披露公演を前に中村吉右衛門に稽古に行った事で中村勘三郎が中村吉右衛門に頭を下げざるを得なくなり中村勘九郎襲名披露公演の鈴ヶ森で犬猿の仲だった二人が共演して歌舞伎ファンを喜ばせた。この事は中村勘九郎の何よりの手柄だと思う来年からも中村吉右衛門が始めた秀山祭が続く5ら中村屋兄弟には出続けて貰いたいものだ。