昭和の喜劇王、榎本健一ことエノケンだが映画であまり面白い作品はない。代表作と言われるエノケンのちゃっきり金太はファルムが総集編しか残っておらず、おそらくストーリーを解らせる為にギャグシーンをカットしてしまったのだろう。まるで面白くない。あっしが面白いと思ったのは孫悟空と頑張り戦術の2本だけだ。本作はそのエノケンの孫悟空を監督した山本嘉次郎が戦後に当時人気絶頂の喜劇役者、三木のり平主演でのリメイク版だ。これが戦前のエノケン版に比べるとまるで笑えない。あっしが笑ったのは八千草薫のパイ投げシーンくらいだ。三蔵法師の暴力否定の考えが昭和34年なら説得力があったかも知れないが今見ると馬鹿に見えてしまうのもこの映画をつまらなくしている。由利徹、南利明に大映の脇役俳優、潮万太郎がトリオを組んでコントを演じていたと教えてやったら本作を見る暇がなかった寒空はだか先生は悔しがるだろう。へへへへへへへ。