日本の政財界の裏側とそこに蠢く人間ドラマを超豪華キャストで描いた山本薩夫監督の名作だ。あっしはこれまでこの作品の成功は山本薩夫監督にあると思っていたが今回見直してまず山崎豊子の原作が素晴らしい事に気が付いた。財閥の主の佐分利信は妻妾同居しているが妻の月丘夢路より妾の京マチ子のほうが威張っているのが最後に妾が家を追い出される時の妻の月丘夢路は一言に作家、山崎豊子の凄みを感じた。山崎豊子は日本一の女流作家だ。内容も文章力もない林真理子とは偉い違いだ。もちろん山本薩夫の演出も凄い。彼はバリバリの共産党だが彼が描く資本家の何と魅力的な事か。本作では妻にとの3Pシーンに興奮してしまった。211分の大長篇だがまるで退屈しなかった。