国立映画アーカイブは東宝90周年特集だ。東宝35周年は良く覚えている。あっしが15歳の時だった。ハリウッドからキングコングを呼んで日米怪獣王決戦のキングコング対ゴジラが公開された。本作も35周年作品だ。当時の邦画は各社二本立てだったが本作は大作なので一本立てで公開された。日本が終戦を決めるまでの24時間を岡本喜八監督がドキュメンタリータッチで描いた作品で衝撃だったのは三船敏郎演じる阿南陸相の切腹シーンだった。22年前にまるで時代劇のように切腹して死んだ人がいただなんて、中学生のあっしには大ショックだった。本作のヒットで東宝は夏に戦争映画の大作を毎年公開するようになった。東宝名物8.15シリーズの始まりが本作だった。