ラピュタ阿佐ヶ谷は阪東妻三郎、田村高広親子特集だ。でもお客さんが少ない。本作は勝新太郎、田村高広の兵隊やくざシリーズ一作目というか本作がヒットしたのでシリーズになった。戦争映画なのに主人公の敵は中国軍ではなく日本陸軍だ。日本陸軍を舞台にした戦争映画にはこのパターンが多い。如何に陸軍が戦争経験者に恨まれていたかという事だろう。この頃絶好調の増村保造監督がそんな理不尽な組織にたった二人で戦いを挑む主人公を痛快に描いて楽しい。ところが2作名物からは勝新太郎の方が監督より偉くなりスター映画になってしまったので面白さが半減した。いちかわ雷蔵主演の陸軍中野学校も増村保造監督の一作目は面白いが他の監督に代わった2作目からつまらなくなった。ずーっと増村保造監督に撮らせるという選択肢はなかったのだろうか。