キャスティングの変更が著しい。大政が大木実から前作で中村竹弥に代わったのが本作では元の大木実に戻ったのは良しとしても関東綱五郎が松方弘樹から曽根晴美に増川の仙衛門が津川雅彦から無名の役者に、投げ節お仲が丘さとみから安城百合子という無名でブスの女優に、次郎長の兄貴分の江尻の大熊が水島道太郎から山本りんいちに、仇役の猿屋の勘助が石山健二郎から天津敏に代わった。これはもうスケジュールの関係ではない。ヒットしない映画にキャスト費はかけられないとお東映の戦略だ。さすがに義理欠く恥欠く人情欠く、三欠くマークの東映だけの事はある。結果南田洋子だご頑張っている映画になった。そして本作を持ってシリーズは途中で打ち切りとなった。東映70年史に残る負の遺産というべきシリーズだ。