キウイ師匠は先日新文芸坐で上映されていたどっこい生きているを見て河原崎長十郎の酔っぱらい演技をらくだに活かすという。へー、らくだという大ネタにチャレンジするんだ。あっしのようにただボーッと映画を見ているんじゃなくて落語に活かそうとはなんたる向上心だ。屑屋の久六のセリフにこう見えても俺は奉公人を二人使って親方と呼ばれていたんだ。女中もいたんだ。ってセリフを言うだけじゃないよ。名優、河原崎長十郎の酔っぱらい演技を完全コピーしてらくだを演じるというんだから、今までそんな発想でらくだを演った落語家は一人もいないんだから、これはもう期待せずにはいられない。ちなみにらくだというネタは久六がしらふから酒乱になるまでをリアルに見せるのが眼目のネタだからあっしは演りたいとは思わない。それに大家がちょっと出てくるがほとんどが半二と久六の二人だけ、芝浜も夫婦二人だけ、あっしは登場人物が多いネタじゃないと演っていて面白くないのだ。キウイ師匠らくだを演る時は教えてね、聞きに行くから。