【第2話】恋鮪。 | ガイハ日記。

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ガイハワールドで日常と世間をえぐってます。

文化庁の2007年度国語に関する世論調査で『憮然』や『げきを飛ばす』の意味を取り違えている人が7割にも上っている事が判明した今日この頃、皆さんガン飛ばしてますか?
『憮然』を『腹を立てている様子』と誤ったのは70.8%、『げきを飛ばす』も72.9%が『元気のない者に刺激を与えて活気づける事』と間違えていたようです。
もちろん、ガイハさんも不正解。
それどころか、リアルボイスやモイモイ、ノンポイなど明らかに間違った日本語を多用しています。
読めば読む程、馬鹿になるガイハ日記、"3の倍数"だけで済まなくなる日も近いかも知れません。
読者の方々も、ガイハさんのようになりたくなければ、用法用量を守って正しくお読み下さい。


【あらすじ】
腫れぼったい瞼に真っ赤な鼻、音楽すら許されないひとり旅で、一向にモチベーションが上がらないガイハさん。
ついには、自らの居場所すらも見失うのだった。


熱海駅到着。
ここからは伊東線に乗り換え。

ところがホームに向かうと、なにやら人だかり。
『ただ今、信号トラブルの影響により、ダイヤが大幅に乱れております。今しばらくお待ち下さい!』

炎天下の中、重たい荷物を抱えつつ、汗だくで待ちぼうけ。
ふと周りを見るとあちらこちらにカップル。
伊豆といえば海。
真夏のデートスポットだという事をすっかり忘れていました。

ピンク色の空気の中、ひとり完全アウェー。

『あの人、ひとりなのかな?』
『ショーシンかもよ』

ええ、ひとりですよ。
傷心ですよ!
こんなボロボロなトナカイ顔で、傷心にならないほうがおかしいっ!

そして目の前では、50代の男女が、夫婦とは思えないアツアツっぷりでアバンチュールモード。
左手を見ると明らかに異なる指輪。

不倫旅行でした。

あぁ振り解いてしまいたい。
ここに居る全員の手を解いてしまいたい!
そして叫びたい。
遥か彼方に霞む海に向かって叫びたいっ!
お前らの母ちゃんデベソー!
あぁ大人げない…。

そんな自分自身に失望してると、右足にちくりと痛み。
ふとももに緑色の塊。

カナブンでした。

今のガイハさんには昆虫がお似合いという事なのでしょうか。
それとも同情か。
慰めのつもりなのかっ。
もはや取り払う気力も無し。
いっそその羽根で何処かに飛ばしておくれ!!


30分程遅れ、ようやく乗車。
その後も途中停車を繰り返しながら伊豆高原駅に到着し、そのまま『本家鮪屋』へ。

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ランチは頬肉のステーキ丼定食と竜田揚げ。
もちろん全て鮪。

magutoro

完食し、会計をしようととしたその時、隣の男子高校生3人組が

『今日は失恋記念に鮪パーティーだ!!』
と大騒ぎ。

伊豆の人は、フラれると鮪を食べる習慣があるのでしょうか。
という事は、このお店は"敗北者"のはきだめか。

青年たちよ、今すぐ駅に向かえ!
そして石を投げ付けてやるがいいっ!

そう心で告げ、店を後にしたのでした。

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【次回予告】
テディベアミュージアムに到着すると、突然忌まわしきトラウマに襲われる。
その引き金はトトロ展とは全く関係のないものだったのだが…。