米カリフォルニア州で、野外コンサート会場に浮かべた気球が、地上と繋いでいた紐から外れ、行方不明になった今日この頃、皆さん風船で太平洋横断しようとしてませんか?
気球は2階建て家屋と同じ高さで幅はバス2台分、豚の形をして、底面には『オバマ』と書かれているのだそう。
取り戻した人には100万円の謝礼金が支払われるらしいのですが、こんな巨大なもの、どう運べというのでしょうか。
むしろ100万の額を賭けられるという事はそれ相応の公に出来ないのっぴきならない事情があるというもの。
やはりこれは調べなければなりません。
お暇なかた、ちょっと気軽にカリフォルニアまで如何ですか?
賞金は山分け、交通費自腹でお願いします。
『続く』とふっておきながら、今になってこんな無駄話を続けたってどうしようもない事に後悔しているのですが、元々期待なんてされないし、他のネタも無いし、ついでに字数稼ぎたいし、ゴミの出す日を間違えて朝から怒られるし、それは関係ないし、まぁそんな感じで家を出たところから。
俯き早歩きで銀行へ。
人間の平衡感覚は実に微妙なバランスの元で成り立っているもので、右目が不自由なだけでもなんと歩きづらい事か。
ボサボサの髪、皺顔に腫れた目、適当な格好、そして千鳥足。
人はここまで1日で堕落してしまうものなのでしょうか。
銀行でお金をおろし、コンビニに向かって歩き出した時、奥から知人がやって来るのが見えました。
げっ。
よりによってあまり親しくない知人。
こんな姿見せられる筈がありません。
やり過ごすか。
しかし、この直線道路で突然引き返せばかえって目立ってしまうもの。
やはりここは、目を合わせず、気付かないふりをする他ありません。
目を合わせないように、そそくさとすれ違うガイハさん。
どうか気付かないでおくれっ!!
知『あれっ何してるんすかー?』
…気付かれました。
G『あっこっこんにちは。』
動揺。
怪しい…明らかに怪しい!
どう見たって不審者じゃないかっ!
知『なんか今日…アレっすね。』
あれって何!?
言うなら言っておくれ!
今日は、だっさいファッションで老け顔で貼れ目でハゲだと言えばいい!
ハゲじゃない!
いっそ殺るなら人思いに殺ってくれっ!
いや、むしろもがき苦しむガイハさんを見て楽しんでいるのかっ?
普段から垂れ目で腫れ目でだっさい男だと言いたいのかっ!?
知『これからどこか行くんすか?』
G『これから病院に…』
財布一つで。
知『風邪っすか?』
G『うん、そんなもの…。』
どんなもの?
これ以上詮索したら舌噛んで死んでやるとばかりに睨むガイハさん。
知『じゃあ…お大事に。』
やり過ごしました。
ほっとし、思わずアンバランスなスキップでコンビニに入るガイハさん。
G『公共料金の支払いで…あれっ?請求書!?』
こうして、ふらふらの足取りで自宅に戻るのでした。