【第9話】若さん。 | ガイハ日記。

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ガイハワールドで日常と世間をえぐってます。

出会いの挨拶『リアル』『ボーイス!!』を使用して良いですか?と大阪のかたからお便りを戴いた今日この頃、皆さん無意識に心の中で呟いちゃったりしてませんか?
どうぞ皆さんリアルボイスを広めて下さい。
全国でリアルボイス、首相もリアルボイス、気が付けば流行語大賞。
賞金はU田さんに、副賞はさりげなくガイハさんが戴こうと思います。
気が付けばU田さんも全国デビューなんですね。負けてられません。


あんたの食欲を地球ほど大きくすることもわしには出来るというものだ。
そうさえなったらしめたもの、あんたの楽しみに果てはないから!
ボードレール【漂流物】



料理の支度を始める女中”悦っちゃん”。
もちろんその間、口が休む事はありません。


『はぁ…。』
『へぇ…。』
『…。』


圧倒され、たじろぐガイハさん。
1対1では限界、ここは数的有利を生かす他ありません。
U田さんに登場して貰い…


!!


気がつくとU田さんが見当たりません!


ブオーーン。


遠くからドライヤーの音。
”悦子”の目を盗み洗面所に向かうと、U田さんは髪を乾かしながら『そっちは頼んだ』というジェスチャーを送っています。


終わった…。


空回りのテンションで”家政婦の悦”とのトーキングバトルをなんとか乗り切り、いよいよディナータイム。


伊勢海老、お刺身盛り合わせ、金目鯛のしゃぶしゃぶ、海鮮サラダ、なめろう、鯛の兜煮、海老の塩焼き、アサリの炊き込みご飯、サザエの壷焼き…そして別注でオーダーした300g近い上総牛のフィレステーキ…。



ディナー。


あまりの美味しさに、言葉を失い無言で喰らいつく二人。



魚ぁ!


『まいう~。』


なんて暢気な事を言ってる暇はないっ!!
リポーター失格。
この際サポーターだっていい!
そうさボクらは美食の反逆児。


肉ぅ!


食事が済み、まだかまだかと片付けを待つ二人。
何故なら、持ち込みのお酒を早く呑みたいから。
先生の目を盗んで夜更かししていた高校時代のように。



素ボイス。


『お布団の準備が調いましたので…』
の挨拶を合図に、お酒を広げ、高校時代の思い出話に。



素ガイハ。


G『みんな何してるんだろうねぇ…クラスメート…誰がいたっけ?』
U『…山田さん?』
G『…それ誰だっけ?ええとあの人…』
U『誰…?』
G『…えぇっと、あれ?…誰か思い出せる人いない?』
U『…。』



『…』


『…』


G『…とりあえず楽しかったよね。』
U『楽しかった。』


60代の記憶力。

記憶から消えてしまった皆々様、申し訳ありません。
なんとなく顔の一部は覚えていたりはします。一部。

微妙な空気になってきた頃、U田さんがバックの中から1枚の写真を取り出しました。


!!


若さん!!


ガイハ日記。-若さん。

高校2年時の担任。

元ヤンで現役と変わらない腕っ節の若さん!
勘忍袋の緒が切れたら最後、誰もが凍りつく鬼の眼光の持ち主の若さん!
友人は堅気でない若さん!
笑った顔が1番怖い若さん!
『お前らに何かあったら守るのは俺だから』と誰よりも正義感に溢れていた若さん!
子どもは3姉妹、実は子煩悩な若さん!
他の教師に嫌われても、生徒からは誰からも慕われた若さん!
まさに実在の”グレートティーチャー若さん”!


二人にとっても唯一心から尊敬していた先生。
先生と生徒というよりも、親分と舎弟でした。


U『今会ったらどう思われるかな?』
G『回し蹴りじゃない?』


『…』


『…』


青ざめる二人。


G『高校には行けないよね。』
U『確実に。』



しんみり。



U『…ところでもっと懐かしい写真があるんだよね。』

!!

こっ…これは!?



【次回予告】
U田さんが取り出した高校時代の二人の写真。
10年ぶりに再会した過去の自分の姿にガイハさんは…。
ついに公開!?