母親に電話をしたら『大食い選手権』の実況をされた今日この頃、皆さん食欲の秋に胃袋をはち切ってますか? 正直全く興味のないギャル曽根について詳しく語られました。わからない。
そういえば先日もAmazonから届いたジョニーデップのカレンダーを自慢するように見せびらかしていような。
実家は息子よりもテレビっ子、噛み合わない会話。
そんな母親を見習って、ガイハさんもテレビ学習をしようと思います。テレビ東京で。
夜のファミリーレストラン。
都会のオアシスという名の孤独と疲れの集積所。
ひとり焼き魚セット(注意:卵焼き抜き)を食べていると向かい側から小さな女の子の大きな声が聞こえきました。
『えー嫌だよーぉー。』
『コラッ駄目よ!…』
我が娘を叱った後、ひそひそ小声で何かを教えています。
そしてお札と小銭を渡しました。
買収!?
…自分の子どもにそんな事をするはずがありません。
『…一人じゃ嫌だもん…。』
そうか、これは社会学習か。
一人で会計…大人への第一歩。
思い起こせば”知らない人を見たら瞬間移動で母親の背後にゲットアウェイ”だったガイハ少年はお遣い等全くできませんでした。
それを今、この子は試練を乗り越えようとしている!
一足先に、店の外に出ていく母親。
頑張れ少女!
巣立つ雛鳥を見守る心境。
心の中でピラフの旗を振るガイハさん。
レジの前に立ち、店員にお金を渡しました。
よくやった!
後はお釣りとレシートを貰うだけ
…のはずでした。
店員に向かって一言。
『お釣りはいりません。』
照れを隠すようにそそくさと出ていく女の子。
お釣りはいらない…
お釣りはいらない…
大人であるはずのガイハさんですら一度も言った事のない台詞。
その一言が頭の中で何度かリフレインし、ようやくその意味を理解できました。
”釣りなんて小さな事を言うな。”
それが現代の教育なのかっ!?
教育なのかっ!!
ある意味、釣銭拒否は全くの他人に寄付するという意味で『おごる』の一声よりも重たい意味を持っています。
そうか、それこそが優しさ!
募金にでも使ってくれというメッセージなのかっ!!
25年間生きて何をしていたのでしょう!?
『お前はケチ。 』
20は年が下だろう子どもの背中はそう語っていました。
愕然とするガイハさん。
さっそく995円のセットで5円を寄付したほうが良いのだろうか…
そんな事を考えていると、レジにいる店員も驚いていました。
それはそうでしょう。
子どもにあんな事を言われて自らを振り返らない人などいないはず。
俯きお金を数える店員。
ガイハさんと同じように己を恥じていることでしょう。
すると
『店長、202円も足りないです。』
詐欺でした。
母親め。