エスカレータでおっさんに、後ろからタックルされて不名誉な負傷を負った今日この頃、皆さん後ろからおっさんの足音が聞こえませんか?
にしても皮膚は痛くないのに腰椎が痛い。彼は貫通のスキルを持ってるのでしょうか。
時刻は16時過ぎ、竹富島に到着するとさっそくサマータイムブルースを口ずさみながら海に向かいました。
広がるコバルトブルーの海に、珊瑚礁、全てが透明に近い輝きを放って・・・
・・・いませんでした。
かわりに広がるのは潮のひいた砂浜に広がる無数の黒い塊。
丸く、吸盤のような柔らかい体を持った「何か」は様子を見ています。
こちらは4人、とても相手できる数ではありません。
皆重なって合体でもされたら一人を追いて逃げるしかないじゃないですか!?
しかしここでたじろぐわけにはいきません。こいつらを倒さない限り海にたどり着けない!
勇気を出して足の指先で攻撃しました。恐る恐る。
するとやつは体を丸め透明の液体を吐き出しました。酸です。
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・
見事に指先が溶けました。
しゅうぅぅぅぅ・・・・
痛みで目を向けることもできません。
それくらい気持ち悪いです。実際溶けてません。嘘です。気持ちの問題です。ごめんなさい。でもとてもじゃないですけど攻撃できるほど柔な敵じゃありません。
しかも目を凝らすと海中にもやつらはうようよいるじゃないですか。
おれは一目散に逃げました。仲間ももう逃げているはず!後ろを振り返る余裕なんてありません。
どれくらい走ったのかわかりません。
息を整え、冷静さを取り戻すと、仲間たちのことが心配になってきました。
彼らは無事振り切れたでしょうか。
もし一人でもやつらにやられていたら・・・
皆がいることを信じて
勇気を振り絞って振り返りました。
ー頼む無事でいてくれー
彼らはやつらを気にすることなく泳いでいました。
一人逃亡劇です。
全ては茶番でした。
挙句に、そんなおれの気持ちを知ってか知らずか彼らは言ってくれました。
「おーーいどうしたー。”なまこ”くらいたいしたことないよ~!!」
あぁどうせたかが、なまこだよ。おれにとっちゃ初生なまこだよ。
おれは独り砂の城を作って自分を慰めました。もう誰も信じない。
しかしやつらの呪いはここで終わっていませんでした。
そう復讐にやってきたのです。
宿に戻って食事の時間、テーブルの上に並ぶ、魚、ゴーヤ料理、サラダ、ごはん、味噌汁、なまこ・・・
オーマイガッ!こんな姿になってまで現れるなんて。
ぶつ切りでした。
次回予告
「2日目の朝、楽しい旅を襲う原因不明の病。ガイハは途中リタイヤをも考えるが・・・・」