少しだけ弾んだ字が紙へと書き込まれる

何か良い事でもあったのだろうか



漸くー漸くなのーです

ふふー。凄く嬉しい出来事がーありました

今日はー記念日に致しーませんと


実はーですね


何時ものようにーお散歩のコースを回り、闘技場へー行く前に銀貨の部屋までーお手合わせをお願いにー行ったのです

普段ーでしたら魔法でーすぐにやられてーしまうのですけれどー今日は違ったーのですよ

なんとー最初の攻撃がー急所を直撃したようーなのです

ふらふらとーしながら打ってきたー魔法はやっぱりー倒れそうになるー威力だったのーですけれど、何とかー耐えて次の攻撃

そうしたらーびっくり、同じ場所にー当ったのです

次の瞬間にはー銀貨はその場にー転がっていたのです

私、とてもー驚いてしまってー暫く最後の攻撃のー感触の残る枝をじーっと視覚で捉え続けたのーです

じわじわとー嬉しさがこみ上げてーきて、その場で思わずー飛び跳ねたりーしてしまったのーです


だ、誰もー見ていなくてー良かったのーです


帰り際ーに銀貨が起き上がってー何かを渡してー下さいました

それはーとても綺麗な輝きをー放つ石で

ふふ、とてもー良い記念にーなったのです

けれど、家に戻るとー物が一杯で置く場所がーなく、眺めておく事はー出来ずじまいーでした


うん、でもーとても嬉しい出来事ーだったのです

ふふ、次はー何時勝てるのーかしら




ここで文字は途切れている

今日は此処までのようだ

書き留めるは出会う人々の印象と繋がりし縁の確認か

ペンは今日も不器用な動きで文字を連ねる



その瞳は本質を捉え

その腕は抱くを許さず

ただ、狩る事を与えられた

命紡ぐを内に刻む

其は無音の世界に生きるもの


しまい込むのは受肉

外へ出すはかりそめ

香りに包むは秘めた感情

奥にあるものは

其は我が身を知るもの


彼方を見る視線

此方を思う

多を継ぎ接ぎ

個となりて生きる

其は死して生きしもの


眩しき明るさ

一枚捲れば暗き澱み

狂うほど強きソレ

猛りぶつけ破壊する

其は自身解き放つもの


止まった時間を生き

共に歩むを連れ

深き世界を行く

其は夢見眠るもの


見通す瞳

喪失の代わりに何を得る

中庸が示すは狭間

唯一無二の可能性

其は受け入れ適応するもの



・ ・ ・ ・ ・ ・



んー

後は…



一眠りーしてからに致しましょうーか、ね

記憶をー書き出すーのは

昔語りを始めようか
それは、とある森に生える木の話
たわいもない御伽噺


そうだな、題名なんてものは必要ないくらい取りとめも無い、そんな昔のお話さ


その森は何時から森だったのか解らないほど昔から森だった
解るとしたら…そうさな。世界を作った神様くらいだろうよ
で、その森の中に樹齢がけっこういった大きな木が生えてたんだ
ま、その森の中じゃそれでも若い方だったんだが
そいつは他の木とは少し違っていた
何処が、と聞かれるとソレ自身は答えようは無いが、それでも兎に角違っていたんだ
一目見れば解るくらいに異質な気配を持っていたのさ


何故かって?


『名』を持っちまったんだよ。ただの木が

おや?不思議だって顔してるな
ま、そりゃそうか
名前なんてのは俺らにとっちゃ当たり前のものだしな
はは、だがな。木にとっちゃ当たり前じゃなかったのさ
『名』ってのは本質を現すもんだからな
そもそも『木』ってのは俺らが便宜上つけた『名』だろ?
それとは別に『名』を持つって事がどういうことか解るかい

俗に言う『精霊』って奴になっちまうんだよ、ただの木がだぜ


それは当時じゃありえない、いや、その森の中じゃ在り得ない事だったんだ
何せ、奴らにゃ『名』なんて概念が存在しないんだからな
あるのは希薄な『個』か『集団』かの差くらいだ
そんな中に強烈な『名』を持った『個』が現れる
森もざわめくってもんさ


その森のざわめきを聞きつけたエルフがその木を見つけた時、もう森は変わりきっちまってた
なんつーのかな、神々しい?
そう言う雰囲気になっていたそうだ
高位の精霊の生まれた場所はそうなるって噂はあるんだが俺が実際見たわけじゃねぇから此処は不確かなんだがな
で、エルフは聞いたのさ。その木に


お前は何だ、ってね


答えは返ってこなかった

そりゃそうだよな
木が言葉を知るはずも無い
ましてや違う種の言葉なんだ、解れって方がどうかしてる
だが、そのエルフはそうは思わなかったんだな、これが


高貴なエルフの言葉を下賎な人間ならともかく同胞である木が理解できないはずが無いってな具合でね
今じゃそんなエルフは珍しいが、当時はソレが当たり前だったんだな


で、だ
毎日毎日通っては話しかけていたそうだよ
そんな日々が続いて数年が過ぎた頃だったか
突然、彼の耳に葉ずれの音以外の音が聞こえたんだ
最初は気のせいかと思ったんだが、音は風も無いのに続いている
しかもソレは段々と言葉になっていくじゃないか
彼は歓喜してどんどん話しかけていったんだ
するとどうだ、面白いように返事が返ってくる
だが、肝心な部分
その木が『何か』ってところだけは言葉が返ってこない


その『何か』を知るのにまた数年
今度は木が自身を理解する時間が必要だったって訳だ
そして、それを言葉に変える事が出来る様になるまでの、な


で、漸くエルフは答えを得たって訳だ
それ以来、その場所は神域というか聖域と言うか、良くあるそう言う場所の一つに数えられるようになった
その答えのおかげってのも変だが、ソレが理由でな


で、結局その答えは何かって?
はは、そりゃあれだよ


お前さんも聞いて見ればいい
ほら、ちょうどあそこに頭に柿を生やした精霊種がいるじゃないか
ちょいと声をかけて問いかけりゃ良い


きっと同じ答えが返ってくるはずさ

書き綴られる日常は年の輪へと刻みこまれ

文字になった日々は紙の風化と共に薄れるだろう

それでも木は今日を綴る



気がつけばー少しだけ強くなっているー気が致しました

以前はーとても踏破出来ないとー思っていた、黒さんとーの作られた洞窟を散歩できるようにーなっていたり

空を目指してー上っていた災いの塔はー70階層目までーあと少しと言う所までー着ておりました

一つ層をー登るたび、空を飛べないー私でも空へー近づける心地がするのです

そう思ってー塔を散歩コースに入れて今までー歩いてきた成果をー少し実感ー致しました

ふふっ、何だかー木らしくないとー言われてしまいそうーなのですけれど

ああ、でも


思うのーです


あの塔を登りきればー満天の星の輝くー空にすらこの枝が届くーのではないか、と


ふふっ、夢物語だとー笑われてーしまうでしょうか?


先日、六六さんがーワインという飲み物をー持って訪ねてきてー下さいました

私、アルコールの類はー体質的にー頂けないのーですけれど、それは同胞のー気配が漂ってー居たのです

とても、喜ばしいー気配が

ああ、彼らはーこうして飲んでー貰える事をとてもー幸せに思うのーですね

私がー柿を味わってー頂ける事をー幸せと思うようーに

その場でーうんうんうなってーどうしようか考えてーいたのーですけれど後でーご一緒しようとー思う事に致しました

けれどー訪ね返したー場所には居られずに

郷里にーでも、戻られたのーかしら?

ふふ、ではーこれはあの方がー戻るまで土に寝かせてーおきましょう

彼らもー彼女に飲んでー欲しがってー居りますし、ね

お帰りなさいーといってコップをー渡して

ぁ、私はー土に染み込ませてからー頂くのです


ふふ、お戻りにーなられるのを待つのもー楽しいものーです、ね


ああ、丘でーお会い出来た時にきちんとー挨拶をしておけばー良かった



そうそう、丘といえばー沢山のお方とのー出会いが

ふふ、あの場所はーいつでも驚きにー満ちておりますーね
少し前なのーですけれど、歌を謡う蛙さんにー出会いました

木の傍がー落ち着くのだそうーですから、今度ー遊びに来て頂けたらー嬉しいですーね

ああ、でもー今の私のー体はまだ新しい物ーで背が低いーから寄り添いがいがー無いかもしれません

森の奥のー本体でしたらきっと良いのーでしょうけれど、あの体はー動けませんーから、うーん


そうそう、三つの目を持つー闇莉さんという方ともー出会いました

三つの目というとー何だかマモリさんをー思い出してしまいます

誰かのーイメージを持つという事はー失礼に当るのでーもう思いは致しませんーけれども

けれど、なんとー言うのでしょう

とてもー心地よい雰囲気をーお持ちのお方ーでした

ふふ、またー縁が繋がる時がーとても楽しみです


興味があるとー言われた事はー凄く聴覚に残ってー居ります

ふふ、実の実る周期ーなど聞かれたのはー珍しく、お答えする時ー少し楽しくー思いました

でも、きちんとー声が届いたかー少し心配ーなのです

だってー余りに人が多い時ーでしたから

きちんとー説明した声がー届いていればー良いのーですけれど


あ、別の日にはーですね

清純派ーだったとー解ったのーですよ

清純派とーいうものが何かはー不明なのーですけれど、とにかくー清純派なのーです

清く純なー派閥なのーでしょうか

違う気がー致します、ね。むむ、今度ーお伺いしてー見ませんと


ムゾリさんもーオジドルで初めてお会いしたー改式さんはーアイドルだそうーなのです

アイドルとはーどういうものなのーでしょう、ね?

あ、焦燥感さんとーいうとてもー物知りなお方にー出会いました

サンタとクリスマスをーとても解りやすくー説明して頂いたのーです

聖なる夜とはー人の聖者の産まれたー日の夜の事ーだとか


でも、お話を聞いてー思ったのは

サンタさんはー何だか悪そうなー人なのです

物をー下さるそうーなのですけれど知らない方の家にー無断で入るのはー人の世界ではーいけない事ではなかったのーでしょうか?

物で釣るー人攫いの様にー思えてなりません

むむ、聖夜はー気をつけーませんと、ね


なぁさんはーそんな風には思ってーらっしゃらなかったようーなのですけれど

でも、危なそうなのーですよ!

気をつけておいたほうがー良いのです。なぁさんにもー気をつけてー頂きませんとーね


そういえばー私はーやはり女性体にー見えるそうで

色々な方にー驚かれてーしまいました

引きずるほど長いー髪が原因なのーかしら?

それともー参考にした表情がー女性に近いものなのーでしょうか、ね?

もともとー自身が雄株かー雌株か解らないのでー間違われてもー気にはならないのーですけれど

ふふ、本当はーどちらなのーでしょうね?

そういえばー人には性別というものがーあるだけにー良く其処を気にされる方がー多いようーですけれど

それ程ー気になるものなのーかしら?



此処で文字は途切れている

今日は此処までのようだ

少し途切れ途切れになる字

どういう思いで書き綴られたのだろう



城がー落ち、私がー籍をおかせてー頂いている国はー敗北致しました

意気消沈、人の言うー其れに陥るかともー思ったのです

けれど、国が落ちたー事よりも同胞がー焼けた事を悲しむ私がー其処には居りました

関わってきたー人も多いとー言うのに

ああ、私の中にはー種の壁が存在するのーでしょうか

あってもーせん無きことではーあるのですけれど


ただ、力いっぱい頑張っていたー方々を見ていたのに、言葉もーでないのは何故だろうかーと

生きる事をー戦う事をー彼等程精一杯行っていたー方を私はー知りません

私がーもし他国でしたらー其処でも同じように強く生きる方々をー目にしたのでしょうーけれども、ね


戦とはー命が燃え輝くーものだと知りました


2度目にしてー敗北を知り、一度目ではー知りえなかった戦争の一面を知り

少しだけー人の世界を知り得た気がー致します


この身でー知れる知識はー限られてー居るのでしょう

ならばー私は、其れを全て人を知るー事へと注ぎたくー思うのです

愛すべきー隣人である彼らのー生き方を、思う事をー其れら全て


ああ、やはりー異端に染まるーようです、ね

精霊からー中庸へ

そしてーいずれは人の意識へと染まるのーでしょう


それでもー私は彼らをー知りたいのです

この体のー年輪に余す所無くー出会う人々をー刻み付けたい

そうー願う



ここで文字は途切れている

今日は此処までのようだ