追記しました。
New Order
ピーターフック(ソングライター ベース パーカッション)
ファーアウト 長尺版 2022
◎音楽の世界に入ったきっかけの話ですが、なぜベースを選んだんですか、それともベースがあなたを選んだんですか?
セックス ピストルズを観に行ったときに、私たちは生まれたようなものなんだ。バーニー(バーナード サムナー)に『バンドを結成しよう』とその時に言ったんだ。彼はすでにギターを持っていた。そして、私は何も持っていなかった。それで彼は私に「ベースを手に入れるべきだ。」と言ったんだ。それで私は『そうだな、ベースを買おう』と思ったんだ。翌日、地元の道具屋に出向いて店主にベースを頼んだんだよ。そしたら、お店の人はベースを渡してくれて、「これならどうだ?」と言ったんだ。
私は「いや、それはないよ」って言ったんだ。弦が4本しかなかったから。「仲間のベースは6弦なんだ。」と言うと、彼は「それはお前の仲間のはベースじゃないからだ、馬鹿だなあ! それはギターだよ!」と言った。だから慌てて渡された最初の1本を買ったよ。そのベースは安物だったけど初期からジョイ ディヴィジョンのEP『An Ideal For Living』まで、数年間、使ってたんだ。
パンクとは学ぶことではなく、ただやることであり、誰にも指図されず、批判されないことだった。自分の考えで行動して誰の話も聴かないってことだ。私は初めてベースを購入したその夜、バーニーと落ち合い、ジャムをして即興で学んだんだ。彼と一緒に練習した。何も知らずにね。私たちは基本的にキャリアを通じてずっとそうしてきたんだよ。そう、それはとても興味深いよね......つまりやっていたことは反学習的なものだったんだ。このような音楽知識の欠如が、ジョイ ディヴィジョンの初期に私たちの弓となったんだよ。人々はジョイ ディヴィジョンの非常にラフなエッジ、そしてニュー オーダーの最初の頃のラフなエッジに惹かれたんだと思う。
◎その楽器を手にした最も有名な人物についてどう思いますか?つまりポール マッカートニーのベースプレイヤーとしてのスキル、そして文化的アイコンとしてのスキルについてどう思いますか。
私はベースプレイヤーとして、ポールマッカートニーはどちらかというとソングライターみたいだと思っていた。彼は曲作りをギターの演奏から始めて、それから後からベースを演奏して付け加えるって言っているようなものなんだ。それからドラムに指図して。。。。つまり、彼がやっていることっていうのはバンドに居ながらオーケストラのリーダーをしているみたいなものなんだよ。私はビートルズの大ファンではないよ。だけど私はいつでもポール マッカートニーのソングライティング能力とベースプレイヤーとしての能力を賞賛してきた。豊かな才能と知識を基にした彼の演奏は大きな武器だよ。だけど私みたいに、無知ゆえの反学習的な演奏も武器になるんだ。でも、忘れてもらいたくないのは私はいつでもビートルズよりもストーンズのファンだったってことだ。
それから、マッカートニーについては80歳にして今年のグラストンベリーのヘッドライナーを務めることに感動している。80歳になるまで音楽をやらなければならないなんて思ってもみなかった。でも、ポール(ブラッディー)マッカートニーに勝つためには、80歳までやらなくてはならないってことだ。
◎今まであなたが見た中で最も感動的なアクトは何ですか?
1970年代半ばにバーニーと一緒に行ったセックス ピストルズのライブが一番だよ。音楽的な理由はないんだ。ただ、その姿勢に惹かれたんだ。彼らがやっていることがあまりにも違っていたんだ。その前の週にレッド ツェッペリンを観に行ったんだけど、演奏は素晴らしかったけど刺激的じゃなかった。それで、セックス ピストルズが私にこう言ったんだ。"もういい加減にしろ"、"仕事をやめて、サーカスに行け "ってね。
◎今後、数年、数十年にわたり、新進気鋭の音楽アーティストが直面する顕著な問題は何ですか?
最大の課題は、ストリーミングとインターネットだよ。レコード セールスの死は私だけではなくすべてのグループにとって大きな打撃だった。今、グループのメンバーもビジネスマンにならなければならないし、自分たちを管理しなければならないし、インターネットや自分たちの音楽が再生されるすべての場所を指揮しなければならない。私の時代より、はるかに難しくなっていると思うよ。それに新しいバンドは他の新しいバンドと競争しているだけでなく、私やポール マッカートニーのような(老いたロクデナシ)とも競争している。。彼らは決して屈服したり諦めたりしないよ。
◎古いアーティストが今日も活躍しているということは、現代の音楽の質を表しているのでしょうか?
現代にも素晴らしい音楽はあるが、その多くは非常に派生的なものだよね。誰も聴いたことがないようなものを(今)やるのはとても難しい。でも、現代の若いアーティストには問題もあって風潮として自負心が欠けていると思うよ。だってミュージシャン志望者っていうものは、いつでも(才能も創造力もない人たち)に評価されるために自分たちを皿の上に載せているってことを忘れてはならないんだよ。はっきり言ってほとんどの人間は才能がないんだから。。私たち(ジョイ ディヴィジョン)が始めた頃は、誰かが私たちを気に入らないって感じだったら、よく(失せろ)って言ったものだよ。
バーナード サムナー(ソングライター ヴォーカル ギター)
ボナファイド マガジン 2014
マンチェスターの音楽的風土は、音楽シーンに2つのレベルで存在していたんだ。本当にね。70年代にティーンエイジャーとして育ってきたものが好きじゃなかったんだ。そのスタイルがあまり好きじゃなかったんだ。60年代と70年代の2つの年代が嫌いなんだ。60年代と70年代。ビートルズやストーンズのことは覚えているし、彼らは素晴らしいと思ったけど、70年代は重苦しく、誰もがアイデアを使い果たしたように思えた。そこにパンクがやってきて、新鮮な空気を吹き込んだんだ。それで興味を持った。
マンチェスターにあったユースクラブに通っていた。そこはかなり生々しく、重厚な工業地帯だ。そのユースクラブでは、音楽を演奏する部屋が分かれていたんだ。1つはディスコで、下の階ではスカの音楽が流れていた。別の部屋では、自分のレコードを持ち込んで再生することができた。ストーンズやレッド ツェッペリン、ブラック サバスがかかっていたりして、いろいろな音楽に触れることができた。いろんな音楽が好きだったよ。
70年代半ば、イギリスは新しい音楽の風景に目覚めていた。私には甘すぎた。(T レックスの)マーク ボランは好きだった。それから、プログレッシブ ロックのように、10秒間でいくつの音を出せるかというような、名人芸に基づくものもあった。それはキーボード ジムナスティック(鍵盤を使った体操)のやり方を知らなければならない。それは私にとっては嫌なことだった。パンクが登場したとき、そのようなものから解放されたんだ。
パンクについて人々が見逃していることは、それが真剣ではなかったということだ。最近ではパンクは真剣に受け止められているけど、当時は若者が楽しんでいて、自分自身をあまり深刻に受け止めていなかった。それが私には魅力的で、プレッシャーから解放された。私は学校で、すでにプレッシャーを感じていたんだよ。パンクは若者の熱を奪って、「何もかもクソ食らえ。ただ楽しく過ごせばいいんだ」と言ってたんだ。人生を深刻に考えず、仕事も深刻に考えず、外に出て世界を受け入れろ。」と言われたようなものだった。
ポップマターズ 2010年
◎影響を受けたアーティストとしては、ビートルズ派ですか、それともローリング ストーンズ派ですか?私はあなたをストーンズ派と見ています。
うん。ビートルズも好きだけど、どちらかというとストーンズ派だったね。ビートルズも好きだけど、ストーンズの方が好きだね。ラジオで聴くだけだったけど。どちらのグループも好きだったけど、ストーンズの方がよりハードでギターを中心としたサウンドだったからね。
僕にとってはビートルズは良い曲をたくさん書いたロックバンドっていう存在なんだ。みんなにとってのビートルズが特別なのは知っている。僕らにとってそれにあたるのはクラフトワークなんだ。
◎あなた方のビートルズの一曲は何ですか。
ピーターフック(ベース ソングライター) : うへえっ!(笑)
バーナードサムナー(ヴォーカル ギター ソングライター): (苦笑)何だろうな。お先にどうぞ。
ピーター: んー 僕はあんまりビートルズの大ファンってわけじゃないんだけど、そうだな(シーズリーヴィングホーム)にしておくかな。綺麗な曲だよね。
スティーヴンモリス(ドラム ソングライター): (アデイインザライフ)。あのストリングスが入って来るところを聴くといつも首の後ろがぞくぞくしちゃうから。
◎いつ聴いても?
スティーヴン: そうだね。うん。
ピーター: おいおい今でもか?
スティーヴン: いや 今でもっていうか少なくともこの間聴いた時にはそうだった。(笑)
バーナード: そうか、じゃ、お前の為に演奏してやるよ。(笑)
スティーヴン: 楽しみにしてるよ(笑)
ザ ビートルズが本当に好きなのはニューオーダーでは私だけだった。それまでイギリスの殆どのロックバンドのメンバーは奇をてらったパンクバンドも含めて、ザ ビートルズを愛していたのにね。道理で私たちは変わった音楽を作ってるだろ?ちょっと新しい事をしてたんだよ。