追記しました。
ポールスタンレー(ソングライター ヴォーカル ギター)
自伝
何かをしなければ行きつく先には酷いことになる。そのような僕の12歳の誕生日からしばらくたったある日のこと、僕は(エドサリヴァンショー)で(ザ ビートルズ)を見た。彼らの歌う姿を見るうちに、僕は思い当たった。(僕がこの状況から抜け出すための切符はこれだ)とね。有名になり、好かれ、尊敬され、憧れられ、あるいは嫉妬の的になり、この惨状から逃れていく、そのための乗り物がここにあるんだ。
明確な根拠もないのに僕は自分で納得してしまった。僕にも出来る。僕にも人々の琴線に触れることが出来るんだって。それまでギターを弾いたことなんて一度もなかったし、当たり前の話ながら曲を書いたこともなかったのに、それでも。。。。。。これがここを離れるための僕の切符なんだ、と。
僕は単純にそうわかってしまった。
ビートルズのモップ頭に憧れた僕は即座に髪の毛を伸ばし始めた。スタイルに憧れた面も確かにある。でもあのスタイルがなぜ僕にとって魅力的に映ったのかそれははっきりしている。右耳の代わりにそこにあった耳の痕跡を隠すことが出来るからだ。いずれにしろ、両親にそのことは理解できなかった。彼らは僕が髪を伸ばすと、しつこく僕に文句を言い、(切ってしまうぞ)と僕を脅かした。
2014 クラシックロック
確かによくそういう風にきくけど、僕らをビートルズと比較することなんかできない。僕らは彼らの足元にもおよばないよ。
誰かからの影響を受けることの素晴らしさは、そのまま彼らのコピーをすることを意味してるんじゃないよ。彼らが君に生命を吹き込むってことを意味してるんだ。ピカソからの影響をうけたっていうことの意味は、顔の片側に2つの眼を書き込むことを意味していないよ。それが意味することは君の感情のコードにタッチすることを意味するだけなんだ。それがビートルズが僕にしてくれたことだよ。それは神の出現だった。それは僕に思わせた。僕にはそれが出来る。僕にもギターが弾ける。って。。僕は人気がある子供じゃなかったけど僕の内側にある何かが僕に話しかけた。(僕にはそれが出来る)って。
彼のホームページ
(ビートルズにはポールマッカートニーがレッドツェッペリンにはロバートプラントがそしてキッスには僕がいるんだ。)
マッカートニーのトリビュート盤に参加要請を受けた後に「ヴィーナスアンドマース/ロックショー」を選んだ。他の参加者はビリージョエル、ガースブルックス、BBキングやポールロジャースらも含まれてる。バッキングトラックは、ポールマッカートニーのツアーバンドが全部録音したんだ。これまでの中でもっとも影響された、そしてもっとも偉大なシンガーソングライターの一人であるミュージシャンのトリビュートに参加要請を受けたことを光栄に思ってるよ。言うまでもないけど、全時代でもっとも重要なバンド、そして、とてつもないザ ビートルズだよ。ワーオ
キッス ポールマッカートニーカヴァー
◎あなたはポールマッカートニーと面識があるそうですが彼は友人ですか?
友人? まさか! ステージのポールを見て彼みたいになりたいと憧れていたのだから。
ポールの最高の瞬間はビートルズでもレコード上でもないんだよ。1976年のステージこそ彼の最高の瞬間だった。僕にとってのポールマッカートニーはどんなに時が流れようが僕が若かったころのステージの上のポールなんだ。そして、はっきり言うけどビートルズがいなかったら僕らなんて存在してなかった。
僕はビートルズでは(ポールピープル)なんだ。僕の家には彼と一緒に撮った写真を引き伸ばして壁にかけているんだ。
最初だよ。あれが悪かったんだ。そうだよ。あの(エドサリバンショーの)オールマイラヴィングから僕は病気にかかってしまった。
エリックカー(ドラム)
1989 キスアサイラム
◎ 子供の頃 いつドラムを始めましたか?
ビートルズが現れた64年だよ。音楽は僕の人生になってリンゴとドラムに惹きつけられた。それからはドラムの演奏以外にしたい事が無くなった。そして僕らはバンドをして、有名になった。
それ以前、おかしなことに僕のおじさんが7歳か8歳の頃に僕にドラムセットをくれたんだ。僕はそれを叩きまくって、演奏なんてしなかった。ただそれを壊した。そんなもの欲しくなかった。でもビートルズが現れて全ては変わった。
僕は16歳の時にバンドを作ってバーや結婚式で演奏した。僕らはディスコやリズム&ブルースそのほかにはくだらない曲をやった。
エリック シンガー (ドラム)
ゴールドマイン 2023
〇ビートルズ ホワイト アルバム
ビートルズのアルバムはどれもこれも素晴らしい。このアルバムは2枚組で、素晴らしい曲がたくさん入っている。また、クレイジーで折衷的なものもたくさんあり、そこが気に入っている。ホワイト アルバムでは、ビートルズは様々な面を見せてくれた。そして忘れてはならないのは、彼らがレコーディングをしたのは62年から70年までの8年間だけだということだ。たった7年の間に彼らがなし得たことに私は今でも驚嘆している。彼らは真のゲーム チェンジャーだった。エルビス プレスリーとフランク シナトラに自分の曲を歌わせたのだから。。。このアルバムが発売されたときに私は小学5年生だったんだけど、チャールズ マンソンがマンソン殺人事件の前にこのアルバムを聴いていて、その音楽が事件と関係しているという話を聞いたのを覚えている。そのことについてはよくわからないけど、人間の心というのは人におかしなことを考えさせるものなんだろうね。
エース フレーリー(ギター)
ゴールドマイン 2023
〇 ビートルズ (イントロデューシング ザ ビートルズ)
ああ、ビートルズを忘れるわけがないよ! あの最初のレコードは私の度肝を抜いた。あんな音楽は聴いたことがなかった。ビートルズの影響力はすごいし、それは今でも感じられる。ビートルズが過大評価されているという人間は、自分が何を言っているのかわかっていないと思う。あくまで僕の意見だけどね。『Origins』のために「I'm Down」のカヴァーをやったんだ。ファースト アルバムの曲ではないけど、この曲は僕にとってはとても意味のある曲だったんだ。
〇ザ ローリング ストーンズ『アウト オブ アワ ヘッズ』
いつもビートルズと比較されるけど、どちらも同じくらい素晴らしいと思う。2組とも歴史に名を残し、活動を始めてから何百万、何千万という人々の人生に影響を与えた。ストーンズが今も変わらずやっていることを考えると、クレイジーだよ。しかし、『Satisfaction』が収録されたレコードは、多くの人にとってすべての始まりだった。キース リチャーズのディストーションは忘れられない。彼らがまだそれをやっていることに神の祝福を。
タクソンウィークリー 2017
エースフレーリーが選ぶ5枚
1. Jimi Hendrix—Are You Experienced?
僕は大体15歳ぐらいだった思う。それまでもそしてこれから先も、誰もジミヘンドリックスみたいなギターを弾くことは出来なかった。そこにはただ一人のジミヘンドリックスがいる。彼のギターへのアプローチ方法は急進的で彼の時代の大部分の他のギタープレイヤーとは異なるものだった。それは僕の演奏に完全に影響を与えた。
2. Cream—Fresh Cream
僕はニューヨークのマンハッタン中心部での最初の彼らの公演を見たよ。前座にはミッチライダーとデトロイトフィールがやっていた。クリームは驚きだった。クラプトンはギターの演奏方法を僕に教えてくれたギタープレイヤーの一人だった。
3. The Who—My Generation
ピートタウンゼントは僕に巨大な影響を与えた。彼はコードの熟練者だった。そしてまた彼は劇場でのロックの熟練者だった。ザ フーは先駆者だった。彼らはそこに立って演奏をしているだけではなく、ショーを行っていた。キースムーンはドラムを残骸にし、発煙筒を使った。タウンゼントは彼のギターを破壊した。彼がステージで行ったやり方は当時かなり急進的だった。そういった(芝居がかったザ フー)はキッスに大きな影響を与えた。ポールスタンレーもまた彼の影響としてピートタウンゼントを挙げている。
4. The Rolling Stones—Big Hits
ビートルズは良い若者でストーンズは悪い若者っぽかったので、僕はいつもビートルズよりはストーンズに惹きつけられていた。彼らはドラッグで逮捕されていたし、彼らにはよりハードなエッジがあり、よりダークな部分があった
5. The Beatles—Please Please Me
僕はビートルズの最初のアルバムも僕にとっての主要な影響だと言わなければならない。ストーンズに夢中になる前にはビートルズに夢中だった。なぜなら僕は子供だったから。13歳の時には既に僕はビートルズの曲を理解していた。ジョージハリスンは素晴らしいプレイヤーだったし、ジョンレノンもそうだった。そして僕に影響を与えたもう一つの要素はポールマッカートニーのベースの演奏方法だった。彼のベースラインにはいつもかなり驚かされた。僕はリヴォルヴァ―のレコードでの彼の(タックスマン)のリフを覚えている。。。。つまり、僕はいつも(リフソング)を愛していた。
◎あなたのギターへ初期に影響を与えたのは誰でしたか?
ビートルズとストーンズ。そして10代半ばにはレッドツェッペリンそしてジミヘンドリックス、ザフーだね、そして明らかなのはクリームやジョンメイオールのブルースブレーカーズの時期のエリッククラプトンだよ。そしてジェフベックは未だに信じられない演奏をする。僕は未だに彼に会ったことはないんだけど僕のバンドのベースが彼のライブを見に行ってとてもよかったって言ってた。彼は年を経るにつれ良くなっていく。彼は自らの素晴らしい価値ほどの報いを受けていない数少ないプレイヤーだって知っている。そしてロリーギャラガー、彼もまた素晴らしい。僕は彼が何回か演奏しているのを見たことがある。
- ジーンシモンズ(リーダー ソングライター ベース ヴォーカル)
ゴールドマイン 2023
〇ビートルズ(ホワイト・アルバム)
ビートルズの『ホワイト アルバム』は私のお気に入りのひとつだ。なぜなら、メンバーそれぞれがスターであり、自分たちの音楽を自分たちでレコーディングした、おそらく史上最高のバンドの中の混乱を目の当たりにしているからだ。しかし、あのアルバムは、明らかに曲は輝いていて、演奏もプロダクションも素晴らしいのに、バラバラな感じが伝わってくる。『アビイ ロード』はおそらくビートルズの最高傑作だ。そして、彼らはその時点で解散していたのに、なぜか『アビイ ロード』の方が統一感があったのは興味深い。でも、クレイジーな音楽を聴くなら、"The White Album "が間違いないよな。
ジーンシモンズが選ぶ13のアルバム クワエタス 2015
ビートルズ (ザ ビートルズ)
それは見落とされたレコードだと僕は思う。彼らは崩壊の過程にあった。彼らは別々に楽曲を書いていた。そしてここで君は本当にレノン、マッカートニーとジョージハリスンの楽曲の違いについて話すことが出来ると思う。僕がこのレコードで興味深かったことは、(どのくらいそれらの楽曲が洗練されていないか)ということだった。(グラスオニオン)は今まで聞いた中でもとてもユニークな楽曲だった。(I told you about Strawberry Fields)(the walrus was Paul)。。そういった部分だよ。それはファンが話していたことだった。
それは素晴らしいアルバムだった。それは(アビーロード)や(レットイットビー)のように楽曲どうしに関連がなかった。アルバムカヴァーやパッケージが多くを意味していた時代にも関わらずタイトルを持たず、白いままのカヴァーだったということは単純に勇敢な声明だった。レコード上にタイトルがなかった。素晴らしいことだ!中にはそのバンドのメンバー個々の写真があるだけだった。それは変わったレコードだった。
ポールマッカートニー (マッカートニー)
最初のマッカートニーのソロレコードは僕を目覚めさせた。僕はビートルズがばらばらになっていることに気づいていた。そして僕はマッカートニーがソロレコードを出していること気づいていた。そして、どの歌も素晴らしかった!そのプロダクションはビートルズの様ではなかった。だけど、十分に素晴らしかった。その演奏はビートルズの演奏ほど良くはなかった。しかし、その演奏は十分に素晴らしかった。。
それから僕は理解した。マッカートニーは作曲をして、エンジニアをし、プロデュースをし、すべての楽器の演奏をした。。。(リンダがあちこちで現れる以外は)それはワンマンバンドだった。つまりすべてだよ!ドラムもキーボードもすべて、そしてエンジニアをして、プロデュースをして、、、それらすべてをした。信じられないよ!彼はRCAノブというような、非常に原始的な4台の機器を持っていただけだった。それはまさに(離れ業)だった。
彼は偉大なギタープレイヤーでは無かったけど、決して下手なギタープレイヤーでは無かった。彼はいつもそれらの楽曲を素晴らしくするだけのちょうど良いギターの演奏をした。それは彼のソングライティングに現れている。君は(ジャンク)や(メイビーアイムアメイズド)を聴いただろう。それはまるでビートルズの楽曲のようだった。
ベースギター
そうだよ。僕のベース演奏を聴けば想像できるはずだ。ポールマッカートニーだよ。だって僕の時代には優れたベースのプレイヤーなんて数少なかったんだから。ベースってギターとは違うんだよ。そこにあるのは(上手い)か(下手か)しかないんだ。もしそういう時代にビートルズのベースプレイヤーが優れたベースプレイヤーだとしたら?一体どういうことになると思う?だからビートルズ以外のレコードにもポールマッカートニーの演奏が存在するんだ。ほんのちょっとした部分にね。これは自然な成り行きなんだよ。わかるよね?
◎あなたの一番好きなビートルズの曲は何ですか?
それは(アクロスザユニヴァース)だね。かつてビートルズは僕らの人生の大きなかけらだった。そしてこの曲はこれまで聴いた曲の中で最も陽気で快活な曲だった。僕は今日までその曲が何を意味しているのかを知らない。でも気にしてないよ。言葉のイメージで聞いてるから。ジョンレノンは(I Am The Walrus)など沢山の曲でそういった事をした。とても変わってるけど、効果的なんだ。
僕は最初バンドを作ったときヴォーカルだけをしてて、だけど何か楽器がしたくなってギターを持ったんだ。14歳の時だった。多少弾ける様になり、周りを見回すと世の中にはギタリストだらけだってわかった。だからバンドで活動を続けて行く為には演奏する人が少ない楽器を持つべきだと思ったんだよ。それでベースを持った。16歳のときだったな。成功だったよ。実はこの楽器はもし素晴らしいプレイヤーになれるならギタリストやドラマーより評価されるんだ。
◎ベースを初めて持った頃、あなたが好きだったベースプレーヤーは誰ですか。
最初はビートルズのカヴァーばかりしてたから、もちろんポールマッカートニーだね。彼はベースでメロディを弾き、コードに従ったプレイもしていた。すごかったな。彼もギターから入った人でベースをリズム楽器としてだけで捉えていなかった。
自分でビートルズの曲を歌う時も、常にベースラインが頭の中で鳴っていたね。そのうち彼のベースをコピーすると、それに自分で作ったメロディーをかぶせて歌うようになった。僕はそうやって曲の作り方を覚えたんだ。だから、はっきり言える事はビートルズがいなかったなら、僕なんて存在しないんだよ。
誰であれ好きなベーシストを聴く時は、その人が何を聴いてきたか、バックグラウンドをも含めて知る必要があるね。そこまでしてこそ、ちゃんと見通せるようになるんだ。一人だけを聴いてたのでは、その人のコピーで終わってしまう。知識を本物にするには奥行きがないといけない。表面だけをなぞっていても駄目だ。そうでないと、たいして良くもない人の行動の真似をするだけで、オリジナルにはならない。ビートルズだってエバリーブラザーズ、モータウンもの、リトルリチャードなどのあらゆるものを聴いて、自分達なりに消化したんだ。僕だってポールマッカートニーだけから影響を受けたわけじゃない。
この通り(ベース専門誌をパラパラめくる)、スタジオミュージシャンは数限りなくいる。そいつらは僕なんかよりずっとずっとプレイはうまい。 でも誰がそんなやつらのことを気に留めてる?それは彼らが指の器用さの方に関心を向けているからさ。 でも僕はそんなのどうでもいい。問題はフィーリングだ。音を正しく出すかどうかが、良いミュージシャンの基準ではないんだよ。 器用なだけなら無名なまま。ハートもあるヤツなら名を残せるだろうけど。名を成したいのなら、人々のハートとつながりを持つことだ。器用さなんて何の関係もないよ。周りがまるで見渡せないのがまずいんだ。
今、スターと言われる人達の中にも、最初は違う楽器をやってた人がたくさんいる。ヴァンヘイレンが小さなクラブに出てた頃、エディ(ギター)がドラマーでアレックス(ドラム)がギタリストだった。スティーヴンタイラー(エアロスミスのヴォーカル)は元ドラマーで、フィルコリンズもそう。ポールマッカートニーはギターもドラムもやるし、ロンウッドはジェフベックグループではベーシストだった。それにジミヘンドリックスやキースリチャーズは自分のアルバムでベースを弾いてた。歴史にインパクトを残した人達は、このおかげで幅広い目を持てたのかも知れないんだ。僕はね。ベーシストはベースを聴いてはいけないと思うんだ。それよりピアノを聴いてた方がずっといい演奏が出来る。
スタジオミュージシャンでずっとベースだけを弾いてる連中は、ベーシストとしては素晴らしいだろう。でも曲は書けない。アレンジなど全くわからない。テクニックしか知らず、ハートが無い。僕は自分をべ―シストだと考えた事はない。エンターテナー。ミュージシャンより前、上に存在する。ミュージシャンというのは歯医者の椅子に座らされている間にかかっているようなやつ。そんなもの大嫌いにも大好きにもならない。
思うに、多くのミュージシャン達は公衆の面前でマスターベーションをしてるのと同じさ。音楽マスターベーションだ。他人に対して見せびらかしたいんだな。どんなに速く指を動かせるか、どんなに指を広げられるか、いかにたくさん弦が張ってあるかとか。(見て見て、ちゃんと出来るんだから)って小さな子供が僕の袖を引っ張るのと同じくらいいらつくね。いい曲を書く才能さえあれば、そんなテクニックを誇示しなくても得意になれるだろうに。
よくギタリストならギターだけ、ベーシストならベースだけ弾いてろ!!っていう人間がいるだろ?だけどそれは間違ってる。そんな自分を一つのタイトルに縛り付ける人間は、ちまちました生活をして、小さな夢を持つだけだ。本来、自分にはタイトルも限界も存在しないはずなんだ。感じたものを自分の運命として追い求めるまでさ。
◎ベーシストはバンドの土台となる役割に満足している人が多いのですが?
違うよ。それは無名ベーシストの言うことだ。バックグラウンドで満足出来るやつなのさ。満足してしまったら、死んだも同然だね。土台は曲に決まってるじゃないか。どんな楽器を弾こうが、楽器無しでアカペラにしようが、曲が無くっちゃやる意味がない。紙が無くっちゃ雑誌は出せない、でも紙さえあれば出せる訳ではない。言葉やストーリーが必要だ。言葉やストーリーがあって紙が無いなら、雑誌にしなくても人に話したり出来るけどね。ミュージシャンは紙に過ぎない。訴えたい事も無いのに紙だけあっても役に立たないだろう?だから土台になるのは(ベース)じゃなくて、(曲)なんだ。僕はベースを弾かなくたって良い。つまり、どんな楽器を演奏しようが、忘れられないような何かをプレイ出来さえすればいいんだ。
キッスの曲で言えば(ベス)なんかいい例だ。この曲にはベースが入ってないが大ヒットしただろう?だから雑誌だって(ソングマガジン)を出すべきなんだ。とにかく、プレイヤーは自分がいなければそのバンドは成り立たないと思いがちだが、実はそうじゃない。ギターがバンドの中心だとか、ベースが土台だから満足とか言ってるやつには何も解りはしないんだ。
ベーシストなんて、どこかのホテルのエレベーターの中で聞えてくる、誰も気に留めない音楽をプレイするのがせいぜいだ。でも曲を書いて、たまたまベースをプレイするのなら歴史を造れる。そしていいベースラインは確かにいい曲を助ける。でもいい曲のくだらないベースラインは曲の足を引っ張らない。
◎貴方はいい曲にはいいベースラインがあるとは思わないんですか?
思わないね。AC/DCのベースなんか(ブンブンブンブン)だけでラインなんか無いに等しいが、彼らにはたくさんの良い曲がある。一方ビートルズの(ミッシェル)のベースラインなら、それだけ取り出しても実に素晴らしい。時代を越えた優れたラインだ。
だが、大切なのは曲。ベースラインは曲を助けはするが、それだけだ。(ミッシェル)と言われて真っ先に思い出すのはメロディーであって、ベースラインではない。もう一度だけ言っておこう。ベーシストはホラを吹いてないで曲を作れ。曲が土台なんだ、ベースラインじゃなくて。
インタビュー
(ミスターメイクビリーブ)は出来た時から、ビートルズ、そしてポールマッカートニーの曲みたいだって思ったんだよ。そして機会がありポールに参加してもらったんだ。でもポールは(僕みたいじゃないよ。君の曲だ。)って言ってくれた。この曲は綺麗だから好きなんだよ。