アカデミー賞5冠のANOLAアノーラを観た 現代のシンデレラか | 昼は会計、夜は「お会計!」

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 先日書いたようにアカデミー賞の授賞式で作品賞、主演女優賞、なと ど5貫とったというので、本来が明日が映画鑑賞の日なのだが、金曜日から時間も動くので急遽今日行ってきた。まず後で知ったのだが全編iPhoneで撮影したと知って驚いたのだが、ロシア系アメリカ人のアノーラ通称アニーが主演女優賞を取ったマイキー中黒マディソンという若き女優。若さと明るいヤンキーと言われるアメリカ女性らしさで、性的なシーンもじっとなりゆきを見守るという感じ。職場であるクラブでロシア人御曹司のイヴァン(ロシアのティモシー・シャラメ=ボブディランの若き日を演じアカデミー賞主演男優賞候補だった。マーク・エイデルシュタイン)と出合う。彼がロシアに帰る1週間で1万5千ドルで、「契約彼女」となったアニー。パーティやら買い物やら贅沢三昧の日々を過ごす。最後にラスベガスに行って、衝動的に教会で結婚式を挙げる。ここまではまさにシンデレラストーリーだが、御曹司の結婚の話を聞いたロシアの両親が激怒し、配下のものに潰すよう指示を出す。それを受けてドタバタ劇も、かつてのアメリカ喜劇にあるようなシーンが続く。そしてついに両親がロシアからやってきて、結婚無効の司法判断を求めて動き出すあたりから雲行きが変わる。そしてアニーも目覚めて、感動的なラストへ続く。

 アカデミー賞授賞式のスピーチでは誰が言ったか忘れたが、いわば「セックスワーカー」の人たちという多くの登場人物たちの中で、人間として懸命に生きて行こうとして、懸命な姿が清々しい。独立系の制作会社だったようで、資金的にも厳しく、そのせいか全編iPhoneでの撮影だし、スピーチでもお金がなかったことを何人かが話していた。いずれにしてもハリウッドやニューヨークなどの巨大資本が作ったものでないものが今年のアカデミー賞の主役だった。やはりこれが新しい映画の流れになるのかも知れない。それと、評論にあったがヨーロッパ各国の奮闘も目立ったらしい。それに比べて今日も帰る時、シネコンのロビーに貼ってあるポスターや置いてあるチラシを見ても日本映画は若くて「可愛い」という女性を軸に、旧ジャニーズ系の若手男性を、絡ませて、アニメや漫画を原作としたようなものが多くて、いったいこんな映画誰が喜ぶの?と疑問を感じるし、これではアカデミー賞に出て行くような作品は出てこないなと、あらためて感じた次第だ。