諸田玲子「四十八人目の忠臣」を読む | 昼は会計、夜は「お会計!」

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2016年にNHK土曜時代劇でドラマ化されたもよ。その時見逃していたが集英社e文庫で標記発行されたので話題作だし読んでみた。元は2010年に毎日新聞の夕刊で一年にわたって連載されたという。
    四十七士の一人磯貝十郎左衛門と恋仲になり、吉良邸討ち入りを助け、本懐後は徳川家に取り入り、遂には大奥にまで入り、将軍の子をなし、赤穂浅野家の再興を図る姿を描く。
忠臣蔵物として大筋の流れは史実として知っているが、そこに後に将軍の生母である月光院となる(読み進むうちにわかるのだが)きよという一人の実在の女性を物語として赤穂浪士との関わりを持たせたるという発想自体に驚かされる。もちろん、諸田さんらしく女性を一人ひとりの息づかいや所作がわかるような描き方にどんどん引き込まれていっきに読んでいけた。
  久しぶりに諸田作品に出会えたというどっしりとした読後感が心地よい。
あとがきで筆者の想いが書いてあり、空想のようでいて、あっても不思議でない設定というあたりに、小説家諸田さんらしい発言であらためて気持ちが伝わる。
勇敢連載ということからも、読み続けさせる筆力にもあらためて感心する。