すっかり定着した午後20時投票終了と同時開票速報はまず結果の概況がわかってしまう。全く事前の予想通りの結果。与党で改選議席の過半数以上、改憲勢力が参院の2/3以上となる結果だ。
もう3分見ればそれで、各局の選挙特番の案内を見てただけでAKBの誰とか、政治好きが売りのハーフタレントを起用したり、見る気もしない。幸い、BSで18時から広島阪神戦を中継していたので、そちらに戻るだけ。ちょっと寄り道という感じ。
しかも、今、売り出し中の左腕戸田がとうとう初完投初完封というおまけ付きで快勝。阪神金本監督は三連戦初戦、8回161球まで投げさせる異常な状態。藤波に最後まで投げさせるつもりだったと答えたというが、何か空回りしているときの指導者の陥りがちな思い付きの感じがしてならなかった.海外のスポーツ番組でも「クレイジー」と散りあげられたという。昨日も、途中ベンチ前で円陣を組ませて監督自身が何か檄を飛ばしていた。普通は打撃コーチが何か指示を出すところだ。ベンチ前での激は、多分、報道のマイクにも拾われていただろう。いつか漏れていくことになる。
そう意味で、終盤の疲れのなかでよれよれの中で続投している戸田はなかなか立派なもので、阪神の監督問題をある意味では浮上させた三連戦になったかも知れない。
交流戦後半からの11連勝の時には「慣れないから」早く一度負けておいてほしいと思うほどだが、この阪神三連戦の勝ちっぷりは見事いうほかはない。少しあたりが止まっていたチームも田中浩輔も出塁率は高いし一本も出た。何より丸が完全復活でヒット量産、ホームランも連日出るなどでチーム打率が6月よりうんと上がっているのが目にみえる。
かつて、長嶋監督時代の巨人に広島は11.5ゲーム差をつけて首位だったが、7月9日札幌松山球場で2回2死走者なしから9者連続安打で一挙7点を奪われ、そのシーズン優勝を逃したことを、われわれ世代は忘れてはいない。だから、少々のゲーム差でも安心することはない。
考えてみれば、与党圧勝などと言っているがかつての自民党の強き時代にくらべてどうだ。自民単独過半数にも行っていない。いわば、公明の前進によって与党躍進を支えられているといっても過言ではない。しかし、自民党になりふり構わず追随する公明党や新たな安倍補完勢力のおおさか維新などがなぜこんなに躍進できるのか。
どこかでもやっていたが、「安定志向」という言葉がキーワードということが説得力がある。あの「政権交代」という呪いのようなスローガンのもと民主党政権が誕生して、寄せ集めで政策的にも集中力もない民主党内閣で自民党長期政権の垢をきれいにあることができず、それどころか政党助成金問題などにも全くメスを入れることなく、3.11の大震災、原発事故の大混乱を目の当たりにして、自民党への回帰願望をいっきにぞうださせていき、ついに自民党と安倍の復権をより強固にしただけでなく、(安倍も何回も民主党政権時代と比較し『あの時代には戻させない』と言われ、それは呪文のようにも国民への説得力ある言葉になった。
イギリスの国民投票が神風になったという意見もある。英国民がEU離脱という変革をえらんだ瞬間・翌朝からその重大さに気が付いて「大後悔時代」が始まったのを目の当たりにした日本国民にも「安定」という言葉が安心感を持たせという。また、政権幹部がイギリスと世界経済の混乱を、消費税再引き上げ延期で「きわめて的確」に対応したことで先見性が証明されたなどと、アベノミクス失敗を逆手に取って国民を欺瞞したことがそのまま伝えられた。
私が思うに、新聞やテレビなど年々、政権批判ができなくなり、読売資本の新聞・テレビ、産経資本の新聞・テレビ、日経新聞、時事通信などすべての報道関係が電通・博報堂を媒介にみな安倍一強を補佐するようにしか作用していない異常な世の中になっていることが極めて大きいことだといえよう。そんな報道番組を見てもバラエティをみても、細かく政権批判は監視されている。
こんな世の中になったら、よほどの材料をもってよほどの粘り強さをもって、全く新しい手段で、人々に影響を与えるようなことができない限り世の中は変わらないのだろうか。
この間の安倍の目に余る暴走、憲法96条改定問題、特定機密法案、安保法制、原発再稼働などなどをめぐり様々な人が安倍政権に異を唱えていたが、しかしそれでも選挙結果には逆の結果しか出てこない。選挙は正しく民意を反映させているのだろうか、とも思う。(こちらの方でおかしいので検証すべきという意見も多くある。特に怪しいのは都知事選挙システムの某メーカー)
タレントでも、通常の感覚をブログやバラエティで発言しただけで攻撃され、仕事を干されていく(石田純一の都知事選立候補への意思表示は立派だったが、あっという間に包囲網を引かれてしまった)。まともな司会者や番組がどんどんなくなっていく。この行き着く先はどうなることやら、本当の意味での政治不信や無関心層がどんどん増えていく国になっていくのだろう。