一昨日から昨日までの情報番組では、甘利大臣(元)の金銭授受問題について、その責任を問うどころか、「潔い」とか「男らしい」などとの街の声を出して、批判的な声はせいぜい、「しょうが無いよね」という程度。フジテレビに至っては、街角インタビューの中で「報道しなければならないことは解るけど、(甘利さんが辞めることは)結果的に国益を損なうことなので、そういう報道の仕方はいかがか」とこんなねじ曲げた話しを街の声として認めるのか、フジサンケイグループ側が仕込んだのではないか。あんなに金を受け取っていながら「記憶が無い」「私の記憶とは違う」など抜け抜けと言って、「美学を通させてください」とまでいって、本来なら国会議員を辞めなければならない。「政治家は正しい人とだけつきあっていけるもんじゃない」とまで言っている。50万円ものお金を自分自身で2回も受け取り、秘書の方も含めて1200万円ものお金を受け取り、接待は何十回にも及んだという。国交省も認めているようない甘利氏の秘書を含めた建設会社との交渉は10数回にも及ん結果、UR側から建設会社に2億円を超える賠償金が入っている。間違いなく、その金もまた仲介した暴力団と政治家側にも還元されているに違いない。秘書はそのような建設利権に群がり、その世界で泳いできた人のようだ。それを承知で甘利は公設秘書にまでしながら、聞いていない、「なぜ相談してくれなかったのか」とか、「秘書の責任にするわけにはいかない」と男気を見せるような言い方で、すっかり被害者のような顔しながら美談仕立てができあがっていった。マスコミのひどさも、ここまで極まれりと言うべきか。安倍や官邸側は慰留したといいながらも裏で、辞任公表前日には石原を呼び出し飲食している。そして、辞任会見後1時間後には後任決定とあっという間に認証式までやった。
「重要大臣の辞任で政権の危機」と報道しているが、甘利の金銭授受が「政治とお金」の典型で有り、企業献金そのものが贈収賄そのもので全面禁止すべきと主張すべき所だろう!大臣辞任では済まない、議員辞職すべき、首相の任命責任こそ問われると追求すべきだろう!といって貰いたいけど・・。そんなの今の日本では無理だって解っている。
それにしても、石原慎太郎一族の質の悪さは酷すぎて、役者をやっている良純の頭の悪さ、品のなさ、顔は良純よりましだと思っていたら伸晃は暴言続きで、良純と並ぶ心根の腐った人だ。政治的には神道政治連盟に属し「靖国派」だが、2012年にテレビで生保受給者のことを「ナマポ」と言い(ネット右翼達が生保受給者を侮辱する言葉)、その数日後に、福島の汚染土壌の行き先について「運ぶところは、福島第一サティアンしかない」と発言。同じ年のテレビで医療費削減に絡んで、終末期医療に関して、胃ろうをしている患者さんのことを「エイリアン」と表現した。あげくのはてというか放射能除染廃棄物の中間貯蔵施設」候補地をめぐる自治体交渉が続いているときに、「最後はカネ目(かねめ)でしょ」とまで言った人だ。
良純は、各局でコメンテーターをしているが、露骨に政権側擁護の声しか言わないだけでなく、少しでも政権に批判的な声が出るとMCや解説者を差し置いて非難の声を上げる。そうした品性のなさと国会議員でもある伸晃の品性のない暴言は驚くほど似ている。金持ちだけでなく我が儘な親父の血をそのまま引き継いでいるという珍しい親子で有り、兄弟だ。まあお坊ちゃん安倍晋三には肌が合う部分があるのだろう。だがどうみてもこんな暴言が目立つ人は議員すら向いていないと思う。ただ、同じようなお金持ちでお坊ちゃんの二世である麻生氏がなぜか、記者団に(石原伸晃氏就任に)「慣れない仕事だろうから、まあがんばって」と棘を刺したのは、同類が故の反発か、そもそも安倍盟友とされる麻生氏は自分こそが経済や財務の専門家と自負しているのに、安倍が訳のわからない各両組織を作っていたことへの当てつけでもあるようにもみえる。だって、内閣府のホームページであらためて正式な分担役名を調べると、麻生は、副総理で財務大臣、デフレ担当、内閣府特命大臣(金融)、林幹雄は、経済産業大臣、産業競争力担当、石原伸晃は、経済再生担当、社会保障・税一体改革担当、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)という具合だ。もともと甘利にTPP交渉担当にしていたので、今回の報道でも「経済の舵取り」を失うとか、本人の辞任の便でも「経済」を凄く強調していたので、お坊ちゃん麻生は我慢ならなかったのに違いない。
こんなぼんぼんと幼稚性が目立つ内閣は、目先の政権維持の手段で、黒田日銀総裁にがマイナス金利などというとんでもない技を使い、株価維持に懸命で、その一方また高浜原発3号機の再稼働を強行した。もう昨日のテレビではこれで関西電力は月に何十億もの経費節減し、つまりそれだけ利益が出る、それは電力料金にも反映する、と原発再稼働路線を公然と支持するような解説をしていた。
やくざまがいの議員がやくざまがいの秘書を使い、やくざまがいの建築会社や土建会社と利権をたらい回ししながら、その中から凌ぎを稼ぎだし、その中の一部を裏金として、あるいは企業献金として公然と政治家にカネが行く、こんな国でまともな政治ができるはずがない。一国の首相の外遊に何十人もの企業人(商人)が同行し、トップセールスそして、それらの企業からは公然と非公然に政治家にバックされる。まして原発から最近は武器産業までがこれに同行し大手を振っているから、世界の日本を見る目が段々変わってきているというのは、さもありなんと思う。