22日に投開票される大阪府知事・大阪市長のダブル選について、毎日新聞は14、15の両日、府内の有権者を対象に電話による世論調査を実施し、取材結果 も踏まえて中盤情勢を探った。市長選では、地域政党「大阪維新の会」が公認する前衆院議員の吉村洋文(ひろふみ)氏(40)がリード。自民党が推薦する前 大阪市議の柳本顕(あきら)氏(41)が追う展開となっている。知事選では大阪維新公認で現職の松井一郎氏(51)が、自民推薦で前府議の栗原貴子氏 (53)らに対して優位に立っている。ただ、両選挙とも3割の人が態度を決めておらず、終盤に情勢が変わる可能性もある。(略)
他のメディアの調査でも同じような状況。これを見て驚いた。もともと大阪は吉本芸人などが知事になる街なので、お笑い好きだけで済まされないほど、世間常識とはかけ離れていると理解している。テレビで活躍した人なら身近に感じるらしく、たかじんや百田尚樹、橋下弁護士などが大阪を地盤に好き勝手菜ことを言ってきたし、大阪という所をそれを是としてきた。だけど橋下のやりたい放題も5月の住民投票で僅差ではあったが、大阪都構想が敗北し、橋下の政界引退発言で、ようやく終焉を迎えるかと思っていた。多分、憲法改悪に必要な補完勢力としての大阪維新・橋下にずーとエールを交換し合ってきた安倍や官房長官など官邸はあきらかに、自民党大阪府連とのねじれをい覚悟で陰に陽に橋下を支えてきた。それらをテコに維新の党の分裂、おおさか維新の設立などを短期間に準備し、大阪の府知事、市長選挙にのぞんだ。「勝つまでじゃんけん」とも評されている。ガキ大将がやることだ。そういえば、その我が儘で傍若無人ぶりでは橋下と安倍はよく似ている。
この経過を見ている人から見たら、普通、橋下の影響は激減して、今回のダブル選挙は、ようやく長年の橋下支配から大阪が抜け出るチャンスだった。横山ノックという人を知事に迎えていたことも酷かったが、法曹界出身とは思えないほどひどい人権無視の思想調査のようなことを平気でやる労働組合対策、生活保護受給者の人権を認めない密告電話の設置などで、生保受給者が居酒屋にいた、パチンコ屋にいた、などの密告を奨励し、なんとしても生保受給者を減らそうとする政治手法。戦前のドイツにおけるナチスの台頭や日本も海外への拡張主義は、国内矛盾の矛先を外へ向けさせたり、強権政治が歓迎されるときがあるといわれる。ただ、大阪でここまで、たかじんや百田尚樹、橋下徹が支持されてきたとみられる裏には、むしろテレビ界を裏で操作する電通・博報堂の力、つまりは、官邸の意向を深く反映させる内調レベルの操作だと思う。大阪という街が歴史的にも、反江戸、反東京、反中央があり、またいっぽうで商人など民間人が支えてきたという自負などがない交ぜとなって今の大阪の市民感情のようなものになったのだろうか。はっきりいって、お笑いに関する市民感情なども、むしろ東京中心のメディアで「大阪人の呆け、突っ込み」などというのに乗せられて、今や自分たち自身が、「関西人だから」と妙に自覚して、それを認めたような人もいる。しかし、一方で、街頭インタビューなどでは「関西出身と言うだけで、誰もが呆けができる、突っ込みができると思われるのは大変心外だ」と怒る人もいる。
私も僅かな期間だが大阪に暮らしたことがあるし、大阪の街や気風も好きだ。阪急宝塚線の女子高生や若い女性の会話など、東京ではとても味わえない雰囲気だ。どうか、ここいらで、大阪人が少しマジになって考えてもいいのではないか。あんなテレビ的ノリだけの人に大阪の政治を任せるわけにはいかないこと、安倍が裏で支援する橋下陣営を勝たせることは、次は国政レベルで憲法改悪勢力の結集に繋がること・・・。どうか、大阪のみなさん、いつも笑いにの中に生きているわけではないこと、普通の国民として、まっとうな判断を示せることを照明していただきたい。