米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古での新基地建設をめぐり警視庁の機動隊員百数十人が4日にも、米軍キャンプ・ シュワブゲート前の警備活動に投入される。3日午前11時ごろ、機動隊を運ぶためとみられる練馬や品川、足立、多摩ナンバーの輸送車5台が、泊大橋を空港 方面に走る姿が確認された。
市民や識者からは、過剰警備だなどと懸念する声が上がっている。ゲート前では3日、市民らが「(警視庁に)指揮を任してはいけないぞ」「沖縄機動隊の誇りを捨てるな」と機動隊員に呼び掛ける姿が見られた。

【名護市辺野古での警備行動に向かう警視庁の機動隊員を乗せるとみられる関東方面のナンバーの輸送車=3日午前10時45分ごろ、那覇市の泊大橋】
11月5日琉球新報記事 (動画付き) 警視庁機動隊を初投入 シュワブゲート前 衝突激化で逮捕者
【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設をめぐり4日、警視庁の機動隊員100人以上 が米軍キャンプ・シュワブゲート前での警備活動に投入された。ゲート前に県外の機動隊が加わるのは初めて。従来多くて100人規模だった警備体制がこの日 は200人超に膨らんだ。ゲート前の市民と機動隊員とのもみ合いで、抗議していた60代の男性が機動隊員を足蹴(あしげ)にしたとして公務執行妨害容疑で 現行犯逮捕された。転倒して救急搬送される人も出るなど現場は激しく混乱した。建設に反対する市民らはこの日、最大約210人が集まり、機動隊員に向かって「東京に帰れ」などと声を上げた。 警視庁機動隊員らを乗せた輸送車は午前6時20分ごろにキャンプ・シュワブ内に到着。県警を含む機動隊員ら200人超が午前6時55分ごろから、座り込 む市民約130人の排除を試みたものの完全にはできず、約30分後に一時撤収した。その間、工事車両1台、作業員を乗せたとみられる車数台がゲート内に 入った。
午前9時ごろには排除に対抗するため国道の中央線に沿って立ち並んだ市民と、それを歩道へ押し込めようとする機動隊が衝突し、転倒者が続出した。その 際、仁尾淳史さん(23)が地面に後頭部を打ち、救急搬送され後頭部打撲と急性頸椎(けいつい)症で1週間の安静と診断された。公務執行妨害で逮捕された 60代男性は容疑を否認している。男性は拘束前、市民と機動隊双方に混乱を収めるよう拡声器で呼び掛けていた。 一方、新基地建設が予定される大浦湾海上での目立った作業は確認されなかった。シュワブ内の陸上部分では重機による作業が見られた。
11月6日付け琉球新報 <社説>警視庁機動隊投入 人権脅かす警備はやめよ
非暴力に徹した抗議行動に対する不当な弾圧だ。市民の人権を脅かす過剰警備は即刻やめるべきだ。
異常な事態だ。ゲート前の警備に対し、県公安委員会は9月の定例会で「今後も細心の注意を払って警備を行ってもらいたい」と求めていた。
警備による不測の事態を県公安委は懸念したのである。警視庁の機動隊投入は、まさにその懸念通りの過剰警備にほかならない。
新基地建設の阻止を訴える市民の抗議行動は、戦後70年も生命・財産を脅かし続ける基地の重圧から脱したいという県民要求に基づくものであり、憲法が保障する表現の自由に照らしても正当だ。
ゲート周辺での座り込みやデモは、新基地建設を強行する安倍政権に対する最低限の異議申し立てである。それを威力によって封じ込める行為は許されない。
男性逮捕も疑問だ。本紙や市民が撮影した動画を見ると、先に機動隊員の手が男性の背後から伸び、バランスを崩した男性が機動隊員の方を向いて右足を上げるような動作をしているのが確認できる。
市民逮捕の原因をつくったのは誰なのか厳しく問われるべきだ。市民をいたずらに挑発し、とっさに抵抗してきた市民を公務執行妨害容疑で逮捕するような理不尽があってはならない。
現場では歩道上を鉄柵で囲った場所に、ゲート前から排除した市民を一時拘束するような事態も続いている。いったんゲート前から排除した市民を引き続き拘束するのは「予防拘禁」とも言うべき不当な行為ではないか。
高江ヘリパッド通行妨害訴訟に関わった横田達弁護士は「令状もなく1カ所に閉じ込めることは法律から逸脱している」と批判した。法的に疑義がある警備を放置してはならない。
そもそも、県が埋め立て承認を取り消したにもかかわらず、国が「私人」を装った不服審査請求や代執行着手などを通じて工事を継続すること自体、公正な法手続きを踏みにじるものだ。
シュワブゲート前の異常事態を解消するためにも政府は直ちに工事をやめ、警視庁機動隊も沖縄から離れるべきだ。
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5日付けの動画付き記事をみてもらえばわかるが、やはりこれまでと同じように、座り込みの部隊と警備側の間に入って挑発に乗らないよう訴えていた人を、軽視長期動態が狙い打ちして逮捕したことがよくわかる。だから、6月付け社説で過剰警備まして、予防拘禁的なことまでしたという。沖縄県警の警備能力をも無視して、わざわざ警視庁機動隊を派遣しての弾圧は、いっそう沖縄県民の反発を呼ぶのは間違いない。また住民もよくしたもので、4日付け記事によると、沖縄県警機動隊に、 ~「(警視庁に)指揮を任してはいけないぞ」「沖縄機動隊の誇りを捨てるな」と機動隊員に呼び掛ける姿が見られた。~ 声をかけたというこの記事など一連の出来事は、あたかもあの先の大戦の沖縄戦が始まる直前に、日本軍は、沖縄県民同士が方言で語り合うことまでスパイの疑いをかけて、方言禁止令をだした。侵略によって植民地などを抑圧する側が一番恐れるのは、地元の住民だ。今の沖縄は、沖縄県警の警備隊を信用していない、安倍・菅などによって警視庁機動隊の派遣までという事態となった。ひ弱な老人が多い住民側を取り締まるのに、警視庁だけでなく各県機動隊までを派遣したいうこと自体が異常事態だ。
いくつかの現地からの声によると、「こうなったらヤマトとの全面対決だ」との声をもあるようだが、静かに様子を見守る沖縄県民までも、きっと歴史で学んだ「琉球処分」に想いを馳せ、「ヤマトが思いどおりにしようとしている」と見えるだろう。
全国ネット放送や新聞もこうした展開を十分知らせていない。