NO NUKES DAY と NHK特集ドラマ「ラジオ」 | 昼は会計、夜は「お会計!」

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昨日は、「6・2NO NUKES DAY」だった。反原発3団体が都内3か所で集会やデモをおこなった・私も、四谷で明治公園からきたデモ行進を迎えた。地方からの隊列で、福岡の病院の事務次長さんや何人か知っている顔や私は知らないが向こうから声をかけてくれた人もいた。どこの地方の隊列も民医連(民主医療機関連合会)や医療生協の占める割合が圧倒的だ。医療人だけに原爆への思いはより強いことはわかるが、逆にいったい他はどうなっているのか、心配になる。えんえん次々とくる隊列を迎えた。一つの隊列が過ぎて、終わりかなと思うと新宿通りの向こうに旗が連なって見えてくる。やっと終わって、急いで家に帰った。3月26日にNHK総合で放映され、大きな話題を呼んだ「ラジオ」の再放送を観るためだ。
これは、「某ちゃん」とあだ名される女子高校生が、震災後の無力感の中、引きこもり、時折、ギターをかき鳴らし、近所から苦情が来る状態。そんな寛恕を地域リーダー(無理やり女川さいがいFMに参加させられていき、そのなかで感じたことをブログに綴っていったそのブログが原作という。
 某ちゃん(刈谷友由衣子)は、マイクの前でなにもしゃべれない、伝えられない。落ち込む姿に父親(豊原功補がm「離せなくてもいい、離せないのも表現だ。話すの苦手ならば、文字で表せばいい」とブログをすすめる。仲間に支えられながら、少しづつ元気を取り戻す彼女。そんな時、1日に10人くらいしか読者がいない彼女のブログが100アクセスを超え、炎上。震災がれきのことで素直な彼女の表現に猛烈な批判がまきおこったのだ。震災後1年以上たった日本の現実で、あちこちで起きた震災がれき受け入れ拒否の世論の渦が寛恕を襲った。中には、見るに堪えない表現のものも多く、某ちゃんはもとの引きこもりになる。そんなとき、リスナーからのメールや仲間、両親の支えの中で、また元気を取り戻し、自分に力をつけたい、人に伝える力をつけたいと、東京の大学に行くことを決心する。母(西田尚美)も「行きなさい」と応援するも、そんな母親も何もかも流された経験から「もう誰も手放したくない」のが本心で心のバランスを失っていく。こうした被災地の生身の人たちが、傷つきながらも支えあいながら生きていこうとする姿が、たんたんとドキュメンタリーのような手法で描かれていく。
 某ちゃんの朴訥とした話に励まされているリスナーの中に、家から家族まですべてを流された東京に住む中年薬剤師(リリーフランキー)がいた。彼は、故郷女川を去って東京で働いていたがだんだんと故郷へ戻って復興へ参加していくことを考えていく。某ちゃんが東京へ立つその日、バスから降り立った薬剤師と初体面を交わす。「東京は大変だよ。がんばってね」「女川はもっと大変ですよ」と交わして、そのバスにのって彼女は東京へ向かって旅立っていく。そこに、女川FMから流れるのは、彼女が好きな曲。感動的なラストへ。

 震災直後には「絆」が叫ばれたが義援金も膨大に集まった。しかし1年たち、2年もたっていくと、いろいろ変わっていく。震災がれきのこと一つとっても、いまだきちんと解決されていない。いわんや福島は何も変わっていないどころか、汚染水の処理が間に合わない、保管場所がないなどの問題一つも解決されていない。そんな時代に、一人の女子高校生の心のひだの揺れを丁寧に描く傑作だった。
何気ないシーンなのに、被災地の少女たちが傷ついたりする様に、憤りや感動がわいてきてタオルが離せなかった。
 主演の刈谷由衣子がいい。まだ16歳。「告白」にチョイ役ででて、本欄で紹介した今年のテレビ東京「まほろ駅前番外地」にも高校生役で出たりした注目の若手がまた増えた。彼女こそ顔や容姿ではなく演技派でいけそうだ。