三浦しをん 初期エッセイ集「しをんのしおり」「人生激場」 | 昼は会計、夜は「お会計!」

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三浦しをんファンとしては、初期の頃の小説を読んで、ちょっと違うな感が強く(2月18日ブログ)、エッセイならと読み始めたら、ホッとするくらい「しをんワールド」満開。でも待てよと乱読ではなく文学的には出された順番にと、まだそんなに売れていない頃、ネットで連載したものを単行本(2005年に文庫化)にしたのが「しをんのしおり」。
この頃は、古本屋でアルバイトしながら執筆してたみたいで、暇はあり大好きな漫画を読んだり、追っかけをするなど、単なるオタクの臭いが充満。
そんな中にも、世の中の出来事や様々な事象に対して、三浦さんらしいツッコミやぼやきが面白い。なにより友達、お母さん、弟などの常連から街ゆく人たちなどの登場人物を(時には庭にやってくるめじろや近所の猫まで擬人化して)、エッセイといえども筆力があるので見事にその人間を丸ごと描きだしてくれるので、深くおもしろい(なんだか変な表現)のだろう。

「しをんのしおり」のなかでは、お勧めは」ネズミ小僧の最期」。三浦さんがいう「半径2mのことし書いていない」という典型で、家の中で見える庭を観察する。隣の犬、庭の花みずきにきためじろのつがいを「めじろ夫妻」と名付け、めじろの巣づくりの話から、突然庭にネズミの死体がころがっている。そこからの妄想の世界にお腹がよじる。
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二冊目のエッセイ集が「人生激場」(2003年単行本、2006年文庫化)。この中での傑作が「我らが子宮防衛軍」。友人のYさんが看護師から「女の人のおなかに脂肪がつきやすいのは子宮を守るためなんやて」という話から「セクハラに加えて、親父ギャグとオタク炸裂の三重苦」という子宮防衛軍(当然、地球防衛軍からきている)の話も思わず笑いが出るので電車など公共的な場では禁物の書。