最近の私の仕事の中で賃金体系や給与システムのにまつわる仕事が増えている。一時代前の自前の汎用機で自前開発の給与システムが人事異動などで維持できなくなったとか、市販の安い給与システム(〇〇給与などと名付けられヨドバシカメラで買えるやつ)でやってたけど社員数が増加したり部署が増えたり、何より手当などが増えて対応できなくなったなどが、比較的多くの理由。
相談に乗ってて、一番話しづらくなるのが、自社の賃金体系が絶対でたったり、世間や給与システムがどのようになっているか、殆んど知らない場合。
コンピュータなら何でもできて当たり前で、うちの賃金体系がなぜコンピュータに乗らないか、と怒り出す人までいた。私が会計等のコンサルで入ったり、ASPで契約している法人などでは非営利・協同を掲げている所が多く、労使交渉を大事にしている。その事は大変素晴らしい事だが、労使双方が先に述べた世間や給与システムなど分かってないから、分けのわからない手当などが出現してくる。しかも特に労組側に既得権という魔法の杖があって、新しい手当は絶対に古い手当てを侵害してはならないから、同じような手当てが妥結年度ごとに微妙に錯綜した手当てが実現する。自前コンピュータの開発ならそれも何とかなるが、ロジックが複雑で点検できる人は、ベテラン人事課員一人しか居ないって事も結構ある。
そんま所では、その人が居ないと給与が支給できないから、その人が熱を出しても、這ってでも来いという事になる。熱くらいならいいけど、突然大病や事故にでもあったら、千人近い職員に給与が出ない、概算で出そうか、など笑えない話がいくつもあるというのが現実。
そもそも給与の透明性の原則や公開の原則など分からない人達が労使交渉したり、賃金体系を考えるから、人事系職員などは、頭を抱えている。システムでた結果を人間が強制入力や強制修正して対応している事を上の人たち知らない。また給与を担当している総務・人事系の職員さんもきちんと丈夫に言わないから、また新たな手当が誕生するの繰り返し。
世間では何万社という企業が何十万人何百万人もの給与計算をパッケージソフトを使って迅速に行ってるのに比べ、先に述べた様な企業では、勤怠集計から給与計算、支給までに膨大な工数と日数をかけている。それだけでも、企業の利益に大きな影響を与えているが、当事者達は意外と気がついて居ない。そもそも賃金体系など微に入り細に入るほど複雑にする必要はない。同一労働同一賃金の原則の下、時間外労働を始め、変動給要素の夜勤手当など単純に勤怠(回数等)で変動させる要素が入ってくるだけです。何故か、給与や賃金を決めるポジションにたつとやたらと。細かい設計に入り勤怠集計も給与計算も複雑で、普通の人がほとんど分からない規則をつくってしまう。大げさに言えば労働者を分断支配する思想です。
今ひとつ、こんにちは資格の時代で、国家資格、県知事資格、各種団体の認定資格など様々有り、企業側も自己啓発を推奨していて、いるから、資格による手当や体系をどうするか、悩みの種にもなっています。病院などえは約40もの専門職種で成り立ち、その技術部門の需要と供給のバランスなど考えるから、体系を新設やら分離やら、手当を付けるのやらで複雑さを競っている。私は、かねがねこの複雑さに閉口してきた一人です。年齢と(つまり成果給的要素)と資格給要素を一体化した資格年齢給ををまず、いくつかたてて、その時々の需給バランスなどは暫定的な手当で対応するなどで、給与手当体系をシンプルにさせることが、全体としては職員の団結上も事務の効率性からいっても正しいのでは無いかと思っています。
ともかく労基法で定めた事と世間のスタンダードを追っておけば(つまりはバッケージソフトの完全活用)、簡単にして迅速で公開性も透明性も確保できて、経営者にとっても労働者にとっても、ウインウインなんだけどな。
そこが、なかなか分かってもらえないので・・。