「最後から二番目の恋」 おじさん おばさん世代も話題沸騰 | 昼は会計、夜は「お会計!」

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 テレビは、私の嫌いなスペシャル番組もようやく終わって、新クールのドラマも始まった。いくつかビデオチェックしているが、その辺はまたの機会に。
 先の1月クールの話題はなんと言ってもフジテレビ木10ドラマ「最後から二番目の恋」。久しぶりにおじさん、おばさんが喜んで観ることができたドラマだった。NHK朝ドラの「ちゅらさん」「ひまわり」、ドラマ「ウオーターボーイ」など人間を暖かく描き、視聴率作家の岡田恵和のオリジナル脚本で、小泉今日子・中井貴一のW主演。
 小泉演じる45歳独身のテレビ局ドラマプロデューサー・吉野千明と中井演じる50歳の鎌倉市役所勤務の長倉和平が古都鎌倉を舞台に、大人の恋と青春を描いた。
 和平は妻と死別し、和平の弟真平(坂口憲二)、妻との子の三人で暮らしている。そこへ、仕事でも人生においても少し曲がり角を感じていた千明が老後も考慮しながら鎌倉で古民家の独り住まいもいいかと、長倉家の隣に引っ越してくる。少し奔放でイケメンの真平が千明を口説き、恋仲に。一方、和平には、周りから再婚を勧められ、お見合い相手が、なんと美人の母(美保純)とその娘で和平の部下(佐津川愛美)の二人であることに、困惑する。
 千明と真平の関係の進化とともに、千明は長倉家との交友が広がる。和平の妹で真平の双子の妹・万里子(内田有紀)は世間とうまくやっていけず何年も引きこもり。もう一人の妹・典子は結婚して家を出ているが毎日のように長倉家に出入りし、そのうち、家を出て長倉家に。
 千明と真平のなかもすすみ、和平と親娘のからみが続く中、妹典子や万里子の生活が江ノ電など鎌倉らしさたっぷりの景色の中で繰り広げられていく。

  第一話「寂しくない大人なんていない」から始まり、最終回が「まだ恋は終わらない」という11話構成も巧みで、その構成自体が最終回の最終シーンに流れる千明の独白へと繋がっていっていく。そもそも、岡田恵和脚本で、小泉・中井W主演では、1995年のフジテレビ月9ドラマ「まだ恋は始まらない」で大ヒットさせた。明らかに、その頃、それを観た世代を念頭に、キャストから題名に至るまで、前作を意識し、引き継ぐもので、遊び心と言うよりも売れっ子脚本家だからできる芸当のようなものだろう。それがまた中高年世代を引きつける魅力ともなっている。
 キャスト全体がよかったけど、個人的には、万里子役の内田有紀が今までに無いキャラに挑戦し新しい新鮮な演技に注目。引きこもりから千明と繋がる中で社会へ出て行く変化を演じあげ、ラストに、余命幾ばくもない筈の双子の兄・真平に「真ちゃんは死なない気がします!」「恐ろしく非科学的六感ではありますが」と言い切ったシーンが印象に残り、光った演技でもあり、演出でもあった。また脇役の一人だが、和平にいいよる娘役・佐津川愛美もこれまでも話題作にでていたが何か、存在感があって今後、飛躍しそう。
 
さて、最終回。若い人たちどうしの成り行きをみてきた千明と和平。千明も真平に別れを告げ、和平も親娘との関係を振り切ることとする。典子や万里子もそれぞれ新たな生き方をみつけていく。そして、夜の帰宅時、駅で出会った千明と和平がどうでもいいことからいつもの言い合いになる。その時に、千明が何気に、和平のこと、「きらいじゃない」という、先に言われたことに突っかかり、「なんでこんなところでそんな大事なことをさらっと言うの!」とまたもめる・・・。
 で、有名になった千明の独白が流れる。

 「寂しくない大人なんていない。だからといって、寂しさを埋めるための恋をするのはやめよう・・恋がなくたってすてきな人生は絶対にあるはずだ。
 月並みな言葉だけど、前を向こう・・ ちゃんと生きてる事が一番大事なんだ・・・そう思う・・
人生って、自分の未来に恋をすることなのかも知れない・・・ 自分の未来に恋をしていれば、きっと楽しく生きていける・・・46歳、独身。  人生への まだ恋は終わらない・・・
もし、これから誰かと恋をするとしたら・・・それを最後の恋と思うのはやめよう・・・次の恋は、最後から二番目の恋だ・・・その方が人生はファンキーだ」

 このメッセージが中高年を励ましただけでなく、若い世代へも人生の応援歌としての示唆をあたえてくれたものと思う。岡田さんの人への温かさが滲み出ていた。それは主題歌(浜崎あゆみ How beautifl you are)も同様に、浜崎あゆみが脚本を読んで、誰もが優しくなれるような曲をと作った曲。全編癒やし系の言葉であふれ、「あなたが思うよりも・・・ずっと美しい」「あなたが思うよりも・・・優しく強くなった」と呼びかける。このドラマをいっそう引き立てた。 

 最終シーンと独白などの流れでいくと、フジと岡田さんは数年後に続編か、今回のようにテーマを引き継いだものを作るに違いないので期待したい。現代の多くのドラマがアイドルやイケメン、お笑いタレントなどに頼って視聴率を稼ごうというこざかしさが目立ち、内容的にも奇をてらったり、品がなかったり、するものが多い昨今、若い人から中高年まで生きていくことを後押しするような良質なドラマづくりを評価したい。