年間第一位・第36回日本レコード大賞受賞曲
innocent world Mr.Children
「innocent world」(イノセント ワールド)は、Mr.Childrenの5枚目のシングル。1994年6月1日に発売。前作から約7ヶ月ぶりのシングル。前作のロングヒットで知名度を大きく上げた状況での発売となった。シングル・アルバム通じて初のオリコン週間チャート1位を獲得。Mr.Childrenは本作から連続初登場1位記録が続いている。その後2ヶ月足らずで100万枚を突破し、1994年度のオリコン年間シングルチャート1位を獲得。本作のヒットによって過去の作品が再びチャートにランクインするなど大きな相乗効果も生まれた。最終的には193万枚を売り上げ、Mr.Childrenのシングルでは「Tomorrow never knows」「名もなき詩」に次いで3番目に高い累計売上を記録している。1994年の第36回日本レコード大賞で大賞を受賞したが、メンバーはオーストラリアでのPV撮影のために授賞式を欠席するという異例の事態になった。代わりに所属レコード会社トイズファクトリーの代表でアマチュア時代のMr.Childrenを発掘した稲葉貢一が授賞式に出席しトロフィーを受け取った。以降日本レコード大賞に関わることは無かったが、2004年に「Sign」で再び大賞を受賞し、その時はメンバー全員が授賞式に出席した。日本コカ・コーラ「アクエリアス ネオ/アクエリアス イオシス」CMソング。 当初の仮タイトルは「innocent blue」であり、歌詞は「Replay」のようなラブソングに磨きあげる方向で、歌いだしも「少しだけ疲れたなぁ」であった。イントロのメロディーは田原によるものである。 この曲に関して小林は「CROSS ROADは桜井がデモを持ってきたときわりとすぐできたんだけど、この曲はなかなか完成形が想像できず時間のかかった作品だった」と語っている。 恋愛感情よりも客観的な風刺を織り交ぜたメッセージ性の強い最初の楽曲になっており、曲はすぐに完成したが歌詞がなかなか完成しなかった。小林はこの曲がMr.Childrenのターニングポイントになると考え、桜井の作ってきた歌詞に「ありきたりの詞じゃなく、今の桜井だから歌えるものを」「絶望の先に希望を見つけるんだ」など数回ダメ出しをした。桜井は歌詞を悩んでいたが、車の中で思い浮かびすぐに車を止めてメモを取った。「blue」を「world」に変えたのは小林の提案である。 桜井は当時の雑誌インタビューで「innocent world(無垢な世界)がいいな、憧れるな、ではなく、時にはそういうものと別れてしまう場面もあるわけで・・・」という趣旨の発言をしている。 歌詞中には英語表記ではなく「イノセントワールド」になっている。音楽番組では「innocent world」と紹介されるが、主に文献やカラオケでは「イノセントワールド」と表記される。 ミリオンセラーとなったシングル曲では「名もなき詩」「終わりなき旅」などと共にライブでは頻繁に演奏される。ライブで披露される時は1番を全て観客に歌わせる場合が多く、以前はアンコール待ちで観客がこの曲を歌って待つというパターンもあった。
ロマンスの神様 広瀬香美
「ロマンスの神様」(ロマンスのかみさま)は、広瀬香美の1993年12月1日発売の3枚目のシングル。「アルペン」CMソング。歌詞は冬やスキーとは全く関係ないが、このCMタイアップの影響でウィンターソングとして有名になり、広瀬が『冬の女王』と呼ばれるきっかけとなった。1994年オリコン年間シングルチャート2位(年間1位は、Mr.Children「innocent world」)。大胆MAP(テレビ朝日系列)の中で、この曲が自身の中学生時代に作られたものであると明かした2007年12月発売のベストアルバム『Alpen Best Kohmi Hirose』に、同曲の"弾き歌いVersion"が収録された。このバージョンも2007-2008年冬のアルペンCMソングである。発売前、ビクター音楽産業の幹部に冗談で「100万枚売れたら、スタッフ全員でフロリダのディズニーワールドに連れて行って下さい」と言い「そんなに売れるわけないから、いいよ」と軽く返答されるが、実際に発売されると170万枚を超えるセールスとなり、結果ビクター音楽産業より旅行がプレゼントされてレコーディングスタッフ約10名とフロリダへ9日間の旅行をした、という逸話がある。
恋しさと せつなさと 心強さと 篠原涼子 with t.komuro
「恋しさと せつなさと 心強さと」(いとしさと せつなさと こころづよさと)は、1994年7月21日に発売された篠原涼子の4枚目のシングル。小室哲哉のプロデュースにより、本作と5作目の「もっと もっと…」は「篠原涼子 with t.komuro」の名義で発表されている。(小室プロデュースは6作目の「Lady Generation」まで)オリコン年間シングルチャートでは3位だが、最終的に200万枚以上を売り上げ、ソロ女性歌手として初めてシングル売上200万枚を突破した作品となった。累計では、年間1位の「innocent world」、年間2位の「ロマンスの神様」の2つを上回っている。ただし、この年発売のシングル最高売り上げは年間1位を出したMr. Childrenの次回作であった「Tomorrow never knows」である。オリコン初登場は20位以下であったが、徐々に順位が上昇し、1994年9月26日と、翌々週の10月10日にオリコン週間シングルチャート第1位を獲得している(10月3日はLUNA SEAの「TRUE BLUE」)。この曲で第45回NHK紅白歌合戦に出場した。また『第36回日本レコード大賞』では優秀賞を獲得した。このシングルは、東京パフォーマンスドールのプライベートレーベルである「Cha-DANCE」レーベルより発売されたが、表題曲とカップリング曲の「GooD-LucK」は「Cha-DANCE」レーベル離脱後の1995年8月21日発売の2枚目のアルバム『Lady Generation ~淑女の世代~』にも収録されており、こちらでもオリコン週間アルバムチャートで第1位を獲得している。本曲は1994年のアニメ映画『ストリートファイターII MOVIE』の主題歌だったが、後にカプコンから1995年にリリースされたアーケードゲーム『ストリートファイターZERO』のゲーム中においても、映画でのシーンを再現した隠しモード「ドラマチックバトル」にて、この曲のインストバージョンがBGMとして使用された。この曲は家庭用ゲーム機への移植版では当初使用されなかったが、2006年発売のプレイステーション2版『ストリートファイターZERO ファイターズ ジェネレーション』で家庭用初収録されている。小室哲哉の曲ではよくあるイントロがサビのパターン。本曲のパターンをA,B,Cに分割した場合、通常のパターンだとC,B,Aの順で組まれるであろう流れを、あえてA(サビ)を最初に持ってきたところが当時の小室哲哉の非凡なところである。サビが劇的であり、また効果的なPVが使用されたこともヒットに寄与したと考えられる。ただ「サビ」の印象があまりにも強烈で、残りの部分は典型的な小室の楽想が使用されているところから、曲全体のバランスは少々崩れているとも言える。オリコン調べによると、映画、アニメタイアップ曲のCDシングル売上歴代1位。映画『ストリートファイターII MOVIE』主題歌。 総合格闘技シューティングのエースであった朝日昇選手が、試合の入場曲に使用した。
survival dAnce ~no no cry more~ TRF
「survival dAnce ~no no cry more~」(サヴァイバル・ダンス ノー・ノー・クライ・モア)は、trfの1994年5月25日発売の6枚目のシングル。TRFが初めてシングル初登場1位・シングルのミリオンヒットを達成した曲である。この曲から「Overnight Sensation ~時代はあなたに委ねてる~」まで5作連続ミリオンを達成した。フジテレビ系ドラマ「17才-at seventeen-」主題歌。フジテレビ系バラエティ番組「グラビアトークオーディション」エンディングテーマ(2007年1月~3月)。
IT'S ONLY LOVE 福山雅治
「IT'S ONLY LOVE/SORRY BABY」(イッツ・オンリー・ラヴ/ソーリー・ベイビー)は、福山雅治の9枚目のシングル。1994年3月24日発売。前作から約7ヶ月ぶりとなるシングル。
本作で自身初のオリコンシングルチャート1位を獲得し、4週に渡って1位をキープした。累計売上はオリコン、日本レコード協会の集計で共にミリオンセラーに認定され、自身初のミリオンセラーとなった。シングルでは自身3番目のヒット曲である。「SORRY BABY」は93年10月以降、「IT'S ONLY LOVE」は94年3月以降のダイドー「ブレンドコーヒー」のCMソングとなった。 前作となる「All My Loving」ともに、タイトルはザ・ビートルズの曲から取った。サビの部分で意図的にボーカルの歌唱部分が重なるように作られているため、音楽番組出演時にはCDのボーカル音源と併用して歌唱している。この手法は後の「桜坂」などにも同様に使われている。 6thアルバム『ON AND ON』に収録されたものはバージョンが異なる。 2011年に起こった東日本大震災以降は、ライブ等でこの楽曲を福山自身が歌う場合は、『波が想い出さらって』の部分を『風が想い出さらって』と歌っている。ダイドー「ブレンドコーヒー」CMソング。
愛が生まれた日 藤谷美和子・大内義昭
愛が生まれた日(あいがうまれたひ)は、1994年2月21日に発売された藤谷美和子・大内義昭のシングル。藤谷の歌手としてのデビューシングルである。1994年に放送された藤谷美和子主演ドラマ『そのうち結婚する君へ』の挿入歌であった。オリコンチャートでは5位ながらもロングヒットし、ミリオンセラーを達成した。この曲で『第45回NHK紅白歌合戦』に出場した。藤谷も大内もどちらも初出場である。また『第36回日本レコード大賞』では優秀賞、『第27回日本有線大賞』では最優秀新人賞、『第27回全日本有線放送大賞』ではグランプリと最優秀新人賞をダブルで受賞した。当初、藤谷のデュエット相手は、当時JUSTY-NASTYのVo.だった藤崎賢一にオファーされていた。
CROSS ROAD Mr.Children
「CROSS ROAD」(クロス ロード)は、Mr.Childrenの4枚目のシングル。1993年11月10日に発売。前作から約4ヵ月ぶりのシングル。初回盤はジャケット写真の「CROSS ROAD」の文字が金色だが通常盤は黄土色となっており、中のプラスチックの色も初回盤は黄色、通常盤は白という極めて僅かに違いがある。オリコンチャート初登場9位を獲得してMr.Childrenのシングルでは初のTOP10入りを果たすと、ドラマのタイアップ効果などもあり94年1月24日付で最高順位の6位を記録。その後も20位台を推移し続けて94年4月18日付のオリコンチャートで累計売上が100万枚を突破し、シングル・アルバム通じて自身初のミリオンセラーとなった。チャートイン数は50回でシングルでは自己最高記録である。この曲で1993年末から94年前半にかけて『ミュージックステーション』『ポップジャム』に初出演した。日本テレビ系ドラマ『同窓会』主題歌。 桜井がドラマの第一話分の台本のみを読んで曲を作り、曲完成後に「100万枚売れる曲ができた」と発言したエピソードがある。 歌詞にビートルズの楽曲「Ticket To Ride」が登場する。