BANDAI ムービーモンスターシリーズ 2023年個人ベスト5 | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。



 年末恒例――とこれからしていきたい、今年1年間で発売されたムービーモンスターシリーズのアイテムの中で、個人ベスト5を決めていきたいと思います。まあ、全部持っているわけではないのですが。あくまで、個人的な好みの問題と言うことで。

 ややこしいのは、ゴジラストア限定品の取り扱いですが、今回は外しました。あくまでも一般的に家電量販店やAmazon等で定価流通しているものを対象としています。

 それでは、行ってみましょー!

 

 

次点 モンスターX / ソルジャー・レギオン /キングギドラ1991

 惜しくもベスト落ちしたアイテムを3体紹介。


 まずモンスターXですが、塗装が悲しい。白と黒のべた塗で、ディテールが隠れてしまっているところも少なくありません。

 首が回転する仕様や、細部の作りこみが良いだけに、物足りなさというか、勿体なさを感じてしまうアイテムです。

 


 次のソルジャー・レギオンですが、これ単体では持っていても仕方ないというところが大きい(笑)。また、ソルジャー・レギオンは小型の怪獣なので、他のムビモンと明らかにスケールが異なり、組ませにくいというところがあります。

 ただ、造形や可動については、ムビモンの中でもトップクラスで、そのリアリティには怖さを感じるほど。平成ガメラシリーズの怪獣の造形的な面白さ、素晴らしさを十二分に感じらせてくれます。

 



 キングギドラ1991については、もう値段が全て。少し前に出たメカキングギドラと同じくらいのスケールなのに、何故こうも高いのかと。

 もちろん、造形的には劇中に登場した悪辣な「ドラゴン怪獣」の感じが凄く良く出ているし、どろりとした重質な金色もあって、非常に高級感のあるアイテムに仕上がっている。特に翼が凄く奇麗で、ゴジラストア限定の「重塗装版」がデフォルトみたいになっている。以前も書いたように、他のソフビと抱き合わせで買えば――割高感は軽減されるかもしれません。

 

 

第5位 ゴジラ2004 2月発売


 2004年『ゴジラ・ファイナルウォーズ』は個人的には残念な映画で、そこに登場する「FW版」のゴジラも鼠っぽくて、あんまり好きじゃなかった。そういった印象を覆して、「こいつ、本当はカッコいいのでは?」と思わせてくれたのが、このムビモンと、同じくFW版ゴジラをフィギュア化した、モンアツのゴジラ2004です。この二つのおかげで、FW版のゴジラに対しては、だいぶ評価が高くなりました(映画自体の評価には影響しておりませんが……)。

 さて、肝心のアイテムですが、どっしりとした佇まいと、滑らかな体表処理、彫りの深い顔立ちがとにかくカッコいい。ウルトラ怪獣のソフビなどは、劇中の造形を再現するのが難しく、「脳内補完」が必要なものが昔は多かったですが、このFWは稀に見る、「玩具の方がカッコいい」怪獣玩具になっていると思います。値段も、そこまで高騰している感はない。現行、売られているゴジラのソフビの中では、かなり以前に出て今も市場に残っているミレゴジ同様に、手を伸ばしやすいアイテムだと思います。

 

 

第4位 ゴメス(シン・ウルトラマン) 3月発売


 こちらは、シン・ウルトラマンの中でのソフビランキングで堂々の1位に輝きました。

 これはね、もうムビモンの良心というか、10秒15秒くらいしか出なかったにも拘わらず、ここまで細かいディテール、かつハイレベルな再現度で出してくれるってんだから、もう何も言うことはないです。『シン・ウルトラマン』の禍威獣や外星人のアレンジには賛否両論ありますが、ゴメスはその中でも原点に忠実(着ぐるみ事情にまで忠実)なアレンジがなされていて、元が凄く良い。それのソフビ化ですからね。実際のものを手に取ってみると、想像以上のクオリティに震えました。

 映画本編での登場が、冒頭の十数秒だけだったことも、相対的に遊びの幅を広げそうですね。もしウルトラマンと闘ったなら、どうなるか。あるいは、造形元のシン・ゴジラと組み合わせるのは? 等など、色々と組み合わせられるのも、怪獣玩具の楽しいところです。映画だけでは見れなかった部位まで、ちゃんと確認できるところも嬉しいですね。

 

 

 

 

第3位 ゴジラ1955 11月発売


 こちら、さっき紹介したばっかり。『ゴジラの逆襲』に登場した、通称「逆ゴジ」です。

 この逆ゴジは、先に紹介したゴジラ2004や、ミレゴジ、あるいはバーニングゴジラなどのような、手を伸ばしやすいアイテムとは言えません。何せ、造形的にカッコいいというよりは「不気味」。1954年の『ゴジラ』のヒットを受けて急ごしらえで製作された続編であり、ゴジラの着ぐるみも非常にざらっとした「粗」の多い出来栄えになっていて、後年の怪獣らしさを追求した造形とはだいぶ質が異なる。

 ただ、1955年『ゴジラの逆襲』が好きで、未だに何度か見返している人からすると、この「粗さ」が逆ゴジの魅力と言うか、どの角度から眺めるかによって、印象がだいぶ違って見える重要な要素なのだと思えます。荒っぽい造形だからこそ、細部や微妙な陰影に宿るニュアンスの豊かさがある。そこも含めてソフビ化しているのが、このゴジラ1955。理想化した「逆ゴジ」ではなくて、たとば左右の手の長さが極端に違うとか、背びれが歪に傾いているとか、そうした「変なところ」も含めて再現している。そうした真摯な作り込みがなされた、非常に完成度の高いソフビが、一般流通の対象となっているところまで含めて、『ゴジラの逆襲』好きとしては、今年中でも特に嬉しいサプライズとなりました。

 

 

第2位 バラゴン1965 4月発売


 今年は個人的な推し怪獣のソフビ化が多かったんですが、その中でも、バラゴンは特に嬉しかったですね。元々は『フランケンシュタイン対地底怪獣』に登場した怪獣で、ゴジラ映画とのリンクは『怪獣総進撃』を待たないといけない。その後『GMK』では新造形のバラゴンが出ました。元はゴジラシリーズの怪獣ですらなく、ゴジラ映画に合流しても客演扱いでしかなかった初代バラゴンは、中々ソフビ化しにくいんじゃないかって思っていたんです。


 それが、まさかの一般流通商品としてリリース。さらに新造形で、この造形がまた、現行のムビモンの規格内でトップクラスに良い! という、喜びが二重にも三重にも重なり合う事態に。造形のみならず塗分けも相当奇麗で、特に狛犬を思わせる頭部の緻密な作り込みには脱帽です。どっしりとした佇まいで非常に重量感があるところも凄く魅力的で、他の怪獣と組み合わせた時のボリューム差が素敵。特に初ゴジや逆ゴジ、来年2月に発売予定のモズゴジのような、しゅっとした感じのゴジラと組み合わせると、すごく映えます。非常に手に入りやすく、その上で現行のムビモンのレベルの高さを伺わせてくれるアイテムで、本当に気に入っています。

 

 

 

第1位 アンギラス1955 11月発売


 そりゃあそうだろう! ってことで、1位はアンギラス。そりゃ、ゴジラ怪獣の中で子供の頃からゴジラよりも好きだった怪獣なんですから。しかも人気を博した2代目ではなく、その影で忘れられがちな初代アンギラスの登場ってんだから、文句なんかつけたら、罰をあてられます(誰にだ)。

 『ゴジラの逆襲』自体がモノクロなので、彩色はシンプルなものに留まるかと思っていたんですが、非常にしっかりとした塗分け。何より、造形が良い!! ゴジラ1955と同様の粗っぽく荒々しい、まさに「暴竜」と呼ぶに相応しい初代アンギラスが、満足度100%のボリュームとクオリティで見事再現されている。掛け値なしに今年ムビモンの最高傑作です。


 何が嬉しいって、これが一般流通で手軽に買えることですね。『ゴジラの逆襲』70周年を目前にして、めちゃめちゃ気合のはいった、本当に本当に凄いものが出てしまいました。他の何を差し置いても、このアンギラスだけは必須です。第3位のゴジラ1955と組み合わせるのが勿論おススメなんですが、これ単体でも、満足度は高いです。

 

 





 ということで、今年発売のムービーモンスターシリーズから、次点も含めて8体を紹介しました。

 今年は新作怪獣映画や怪獣アニメも豊富でしたが、マイナスワンゴジラやリバースガメラはランキング外でしたね。これが、モンアツになるとまた全然別なのですが。

 来年度は、どんな怪獣ソフビに出会えるか、今からとても楽しみです。とりあえず、2月にはモスゴジの発売が予定されているので、まずはそれを抑えたいところですね。あとは……今年から引き続いての、GMKバラゴンや2代目アンギラスなどの個人的推し枠もお願いしたいところですし、意外なところで言うと、クモンガやカマキラスなどのリアル虫枠はどうでしょう? 今年、リアル甲殻枠でエビラが発売されたので、けっこう期待しています。あるいは――細かいところで言うと、クモンガはクモンガでも、『ゴジラ S.P』に登場した、クモンガで、通常のクモンガと、ダメージを受けて青ヘドラ状の体液が出ているバージョンのクモンガとか、出てくれたらとっても嬉しい。

 ガメラ関係で言うと、そろそろ飛行形態のガメラと、ギロンやジャイガーなどの昭和怪獣を期待したいところです。あと大映関係で言うと、大魔神が出せるんだったら、妖怪百物語の妖怪たちがソフビで出たら泣いて喜びますが……さすがに、それはマニアックが過ぎるかな。

 

 色々と希望願望は付きませんが、怪獣玩具の中では今一番勢いのあるシリーズだと思っているので、今後の展開に期待。どんな怪獣玩具に出会えるか、とっても楽しみにしています。