中々追いつけねえ。とりあえず、自分のペースでざっくり感想続けていきます。
この第7話で、何と初めての過去怪獣・宇宙人の登場。ここまでの5話全部が新造形怪獣ってのが、本当に凄い。
一方で、過去シリーズからのリバイバルで選ばれた第一号がカナン星人というね。この宇宙人選が、また渋い。
ということで、今話の魅力を。
①渋い! けど、確かな宇宙人選。
カナン星人って、セブンの敵宇宙人の中でも相当マイナーな方。それが、何で今回選ばれたかというと、想像にしかなりませんが、これまで5話に渡って素晴らしい新造形の敵怪獣を登場させてきた余波というか、骨休めというか。カナン星人が初登場したウルトラセブン第24話「北へ還れ!」もそうだったけど、この宇宙人は機械を狂わせるオーロラ光線を駆使する侵略宇宙人。セブンの時には、カプセル怪獣ウインダム(メタル星出身)が操られて、セブンと闘うことになる。
このパターンの宇宙人を登場させることのメリットはずばり、他に怪獣を登場させる必要がないこと。セブンの時も予算不足を解消するための一策として用いられていました。そして今回、ブレーザーで登場したこの第7話でも、最大の脅威はブレーザーではなく、操られたアースガロン。
個人的には、こういうパターンが出てくると、ちょっと鼻白むというか、大人の都合を感じてしまってううーん……となってしまうところなのですが、ウルトラマンブレーザーにおいて、このタイミングでこのパターンを持ってきても、全然そういう気持ちにならないというか、むしろ納得。だって、ここまで新規造詣怪獣ばっかりだったんだもの。そりゃあ、こんな箸休め回だって必要だろうよと。しかもこの後に前後編の力作が控えているんだから、ここは逆に製作陣の確かな計画性を感じて、頼もしくおもったところでした。
②セブンオマージュを感じる数々の要素。
予算調整回だからって手抜きしないのがウルトラシリーズ。ここで初めて、過去シリーズからの宇宙人リバイバル実施という「目玉」を持ってくるのも上手いし、それがセブンに登場した宇宙人ということで、全体的にセブンを思い出させるような要素が多い。カナン星人のやりかたは「北へ還れ」と同じようなものだし、カナン星人とのファーストコンタクトがコインランドリーといういかにも庶民的な場所でというところが、セブンの傑作回「狙われた街」や異色回「円盤が来た」を彷彿とさせる。海岸端に本拠地を構えているところに僕は「ダン対セブンの決闘」を思い出しましたが、これは妄想が過ぎるでしょうか。しかしわざわざ海が近いところを戦闘の舞台に選んだのは、これまたセブンの傑作回「ウルトラ警備隊西へ 後編」を思い出さずにはいられないところ。キングジョーといいアイアンロックスといい、セブンのロボット怪獣は水辺での戦闘が多い(アイアンロックスにも予算を抑えるための工夫が感じられる)。そういった部分で、懐かしいものを感じさせてニヤリとしてしまった。
ことほど左様に、全編通してセブンへの目くばせがあって楽しめるんだけど、この話での最大のアガリポイントは、実はタイトルですね。タイトルバックのお馴染みの影絵が本当にオシャレ。カナン星人の目に当たる部分に風力発電? のウイングが入っているところもオシャレだし、左を向いている横顔っていうのが、ウルトラセブンのオープニングの最後に出てくる、モロボシダンの横顔のシルエットとよく似ているんです。こういう細かいところにまで気を配ってくる辺り、さすがだなあと思った。
ということで、今回はヤスノブ隊員のフィーチャー回でもあるんですが、セブン要素へのニヤリが楽しくて、正直ドラマ部分は、他の話よりはちょっと琴線に触れなかったというか……話の内容に、エッと思わせてくれるところが、あんまりないかなあと思いました。戦闘も思ったより少ないし、相手がアースガロンなので、特撮的な「破壊シーン」も最初から期待できなかったんですよ。もちろん、製作陣はそういうところの制限も織り込み済みで、その上でカナン星人とそのキャラクターを採用したんだとは思うんですが。過労でヤバいことになるヤスノブと、彼の機械愛ストーリーともそれほど噛み合ってないというか――あれだったら、他の隊員が頼みもしていないのに、やたらとバージョンアップやオートメーションに熱を燃やした結果の過労で、カナン星人との一件を経て、機械と改めて向き合う、みたいな展開でも同じようなドラマが描けたと思うし、その方がアースガロンとの関係もよりグッとくる展開にできたと思うのですが。
とはいえ、洗濯機に名前を付け、愛でているヤスノブと、それを見ていつになくドン引きしているゲント隊長には笑ったし、その後でしっかりとその洗濯機に向き合って頭を下げるところはゲント隊長のエライところだし、個人的推しのテルアキ副隊長が、今話ではオカン的な役割だったのはもうグッドボタンだしで、やっぱり楽しめました。ちなみに今回のスパイラルバレードは、ブレーザーの体の方にびっくりギミック。もはや大喜利化してきたな(笑)。
次回は前編なんですね。順当にいくと、次はテルアキ副隊長の回になるか? どんな掘り下げドラマが見られるか、楽しみです。