7月22日放送の第3話「その名はアースガロン」。仕事の関係でリアルタイム視聴はできませんでしたが、録画したものを後から観ました。構成的には、この1~3話を以て、全体の「第1話」的なポジションの話が完了する感じですね。主人公・SKaRD・アースガロン、そしてブレーザー。重要な要素が大体出そろった感じです。
さて、3話目ですが、今回も面白いです。一方、話が前進する頃かなーと、次作以降に期待したいところも増えてきました!
とりあえず、第3話で良かったところを。
①特撮愛溢れるアースガロン出撃シークエンス
人間サイドの人気メカニックと言えば、やっぱりZの特空機。往年のメカ怪獣を味方サイドとして登場させるところに、Zの斬新さがあり、以降ナースデッセイ号、テラフエイザーなどが登場しました。今回のアースガロンは、これまでの往年キャラやそれの亜種的なキャラとは違って、新デザイン。王道スタイルの怪獣で、どことなく犬っぽいので、ティガのガーディーを彷彿とさせます。これがね、良い! 細部の作りこみも勿論のことながら、硬いところと柔らかい可動部分の差がしっかりあって、「ちゃんと動く」感が素晴らしい。特に最高なのが、出動シークエンス。ここには興奮しました。近いところで言うと、『ゴジラVSメカゴジラ』のメカゴジラ出動シーン。ここで、テルアキ副隊長が活躍するのも良いし、口頭で各部チェックをしているところに一団感がある。あと、「フォースゲート、オープン」という声が聞こえてきたけど、これって、ウルトラ警備隊のホーク1号出撃と同じだよね? 絶妙なバランスで、過去作への目くばせも忘れない。
こういうメカニックが出撃するシーンのカッコよさは、特に平成ゴジラシリーズが得意としていましたが、これを最新のウルトラマンで観られるのは本当に嬉しい! 間違いなく、第3話の白眉中の白眉シーンです。
②少しずつ形になっていく感じが好き。SKaRDの「準備」シーン。
今回は防衛チームを一から作るところから始めているので、各場所から引き抜かれたメンバーが、ゲント隊長の下で一つになっていく過程が丁寧に描かれている。ゲント隊長がExcelを使って作ったと思しきスケジュール? 表もそうだし、訓練の他にも、想定されたシチュエーションへの対策の確認など、細かい描写の一つ一つが光る。
他にも、防衛隊出身のアンリ隊員に意見を求める時のやり取りから、SKaRDという組織の「抜けの良さ」や人間関係を表現するなど、本当に考え抜かれているなと。前の話で初めて集まったチームとは思えないくらいまとまっていて、彼らがSKaRDとして一つになっていく様子を、視聴者もリアタイで追うことができるという、この楽しさ。今後もどんどん洗練されていく感がありますが、レベルアップしても、こういう地道なところでの「等身大感」を出し続けてほしいなあと思います。
③大迫力の「仰観」視点。その中で、相変わらず笑わせてくれる戦いの緩急。
怪獣の巨大感を出す基本視点である「仰観」視点――要するにアオりの視点。それが今回はすごい角度からのものになっていました。特に終盤、茨城県の研究施設に出現し、アースガロンやブレーザーと激戦を繰り広げるところで活きていましたね。ぐっと首を反らして見上げないと、絶対に見れない角度での怪獣仰観シーン。これが非常にダイナミックで、本当に自分がそこにいるかのような臨場感に繋がっている。
このダイナミックな画の中で、ほんと毎度毎度、ブレーザーは笑わせてくれる。エネルギーを吸収し続けた結果体表温度が急上昇している怪獣タガヌラーと組み合って、誰が聞いてもはっきりと聞き取れる感じで「あっち! あっち!」と叫ぶブレーザー。シンゴジの内閣総辞職ビームにも匹敵する高圧熱線を空にぶちかました後、賢者タイム的な感じで顔を見合わせる両者、そっからのあまりにあっけない幕引き等々、今回もうちの息子は大喜びでした。人間ドラマと怪獣バトル、どっちにもしっかりと「見せ場」を作っていて、一秒たりとも物語を停滞させないところが、繰り返し観ても楽しめるポイントなのでしょうね。
ということで、やっぱり面白かったブレーザー。しかし、個人的には次回くらいから、ストーリー的な前進を期待したいと思います。これまでの第1話~第3話は、いわばキャラクターや世界観の「描写」。緻密に構築された設定や、その中で生きる人物たちの性格や人間関係、メカニックなどのビジュアルを、全3話かけてじっくり描いて見せた。それはすっごく贅沢で、楽しい経験でした。次なる4作では、これまでの3話で確立した世界観の中で、いろいろな要素の深奥に向かって、歩み出してほしいと思います。ブレーザーをめぐる要素には、たくさんの謎が仄めかされている。今回、ゲント隊長とブレーザーとのファースト・コンタクト的なものが描かれました。それは今後、どんどん発展していく要素となります。また、この世界において怪獣がどのような存在として設定されているのかについても今後明かされそうですね。第4話に、早くもその萌芽が見える気がします。さらにさらに、ゲント隊長の設定として、恐らく今後重要になって来るであろう「家族」の存在。2クールという限られた中で、どこまで話を発展させてくれるのか! ここまでの3話から想像するに、もう期待しかないですね!!