このタイミングで不思議なラインナップ。
ムビモンシリーズより、2004年の『ゴジラ ファイナルウォーズ』に登場した、マンダの新造形ソフビが登場しました。
『ゴジラFW』は『怪獣総進撃』よろしく過去のゴジラ怪獣が多数登場する。このマンダは『海底軍艦』『怪獣総進撃』を経ての再登場なわけですが、序盤も序盤、まさかのゴジラが南極で居眠りしている間に、轟天号によって倒されてしまった。『怪獣総進撃』ではゴジラと一緒に都市を破壊しまくっていたのに、ちょっと寂しい活躍でしたね。
本編がそんなだから、ソフビなんて殆ど望めず、ミニフィギュア程度で一回出た切りだったのが、今回、エビラやカマキラス、クモンガを差し置いてまさかの登場。けっこうビックリしました。
が、手に取って見て納得した部分もあって……。
要は、これが一番作りやすかったってことじゃないかしら。
正面から。
平たい。細い(笑)
まあ、龍なんだから仕方がないんですが、ボリュームはないですよ。
ただ、横から見ると、思ったより長くて良い。
少なくともサンプルで見た時の、「ゴジラS.Pのマンダと変わり映えしねなあ」という印象は脱却できました。
そりゃ、長ければ長いほど楽しいけど、ソフビとしての遊びやすさを考慮すると、まあこんなもんかって気がしてくる。
ただ、もう少し身体が波打つとか、そういった躍動感のある体線を描いてほしかった。
本編のマンダはフルCGでしたね。のたくりながら猛スピードで迫ってくるところなんか、中々に良かった。
あそこまでうねれとは言いませんが、もう少し身体に波が欲しかったところです。
背中。これもちょっと寂しい。
2000円するソフビにしては、塗分けが悲しいです。
一昔前のEXのナツノメリュウを見習えと言いたい。ボリュームも体線の滑らかさも、ナツノメリュウの方が遥かに上です。
とまあ、ここまで不満が多かったですが、特筆すべきところも確かにあって――
顔の造形は、すごく良いですね。
これがあるために、評価がちょい甘になってしまう。
その前に前肢を。
側面のヒレや鱗など、中々に細かい。
そして不思議な後肢。
これは角度が逆では?? 普通の龍だと、足の甲は下を向いていますよね?
エラー品かな? と思って写真見たら、元からこうだということです。『FW』の造形的に、これが正解なのかな。
顔のアップ。
まんま龍(笑)
でもそれが良い!!
彫りの深い顔で、特に目の周りに陰が宿る感じがすごくカッコいいです。
目の上のもしゃもしゃとした感じとか、頭部中央にならぶ角とか、鱗の流れとか、顔についてはめちゃめちゃ力が入っています。
口の中にぞろりと並ぶ牙も最高。
非常に丁寧な塗分けですね。実際、分割線の前後で同じ人が塗ったの? っていうくらい塗の感じが違います。
ゴジラS.Pのマンダと。
S.Pのマンダの方が海洋生物感があります。
あと、体線のうねりについては、S.Pの方が優れていると思いますよ。てか、FW版のマンダの体線が極端すぎるんですよね。
単体ではあまり映えないので、街中に入れてみた。
海中から躍り上がって、都市を破壊するマンダ。
浮遊している感は出ているでしょうか。
廃墟の中に置くと、中々見栄えします。
FWゴジのアーツと。
本編では一度も戦わなかった両者。海中での激戦を見たかったですね。
こんな感じで、マンダが絡みつき、噛みつく、みたいなね。
ちょっと雰囲気を変えて、海中のシーンとしてみました。
こちら轟天号! 海底を走るマンダを発見!
わ――ッ、緊急事態! 本艦のすぐ上を巨大な生物が通り過ぎていきます!
まさか――マンダはもう一体いたのか――。
なんてね。
あるいは、
海中での激突。
地球の守護神に、二匹の海龍が挑みかかる。
さらには、
♪ぼうや~良い子だねんねしな~♬
寝ないとぶった斬る~♪
日本昔話かと思いきや、なまはげだった件。
ということで、いろいろ遊べるマンダ君でした。
同日発売されたゴジラ2004、ヘドラ2004と、今年2月のムビモンは『ゴジラFW』祭りですね。その中で、このマンダは一番コアと言うか、これだけを買う人は少ないと思います。正直、ボリュームや塗、身体の造形には言いたいことが多くて、これとガメラⅡが同じ会社から出てるの!? と疑いたくなるくらい、クオリティや満足度には差がありますが、少なくとも顔の造形には光るものを感じますし、こういうマイナーな怪獣をどんどん出して、ムビモンの裾野を広げてくれているのは、とっても有難いことだと思っています。正直マンダなんて、バランとかスーパーメカゴジラ以上にゴジラストア限定に回されそうなもんなのに、こうして一般店舗にあげてくれた。その心意気は買いたいし、ここでマンダが人気を博せば、さらなるマイナー怪獣のソフビ化につながるかもしれませんよね。1ファンとして、それを願ってやみません。
ということで、みんな買おう!!