正面から。
重心が背中側に傾いていて、立ち姿がふてぶてしい。
長い腕や、うねうねと伸びる角など、部分部分のインパクトが強い一方で、全身のプロポーションは均整がとれた美しさです。
横から見ると、このソフビの良さが三割増しくらいになる。
S字クランクを描いた姿勢が何とも言えずカッコいい。
素立の怪獣が多い中で、このスタイルは貴重ですね
。
尻尾が結構長く、波を描いているのも特徴ですね。
身体がうねっているので、龍のようにも見える。
背中。
尻尾の主張が凄い。
背中や尻尾の龍鱗がとても丁寧で奇麗です。
棘は背中や尻尾に集中。凶険というだけあって、非常に攻撃的な見てくれをしてますね。
尻尾の先端は、完全にモーニングスター。
棘に走る筋など、細かいところまで彫りこんでくれてます。
脚は、二種の表皮が混じる。
二本爪も良いですね。
脚部分は前後に動くというより回る感じなので、可動としてはあまり優れていない。
顔のアップ。ケルビムのこの悪魔的な顔、大好きなんですよ。
細かい彫りですね。特に眼孔や口の中が素晴らしい。
成長しすぎた木のような角も素敵です。
悪魔的な笑みをたたえた邪悪なフェイスですが、どこか鬼のようでもありますね。基本モチーフの一つに、東宝のバラゴンがあるらしい。それだからか、どこか東洋的な印象も持ち合わせています。
真正面から。
突き出た牙。尖った顎。首回りの襞。
後の耳みたいな奴も、閉じると兜のようにも見える。
劇中では、ピーン! と飛び上がったりする耳みたいなところ。
独特の質感も、ソフビで見事に再現している。
さて、可動ですが、かなり癖があります。
腕はこんな感じで上がりますが、脚がね……。さっきも言ったように、回転するような動き方をするので、脚があんまり動かせない。
腕は爪が長いので、けっこう雰囲気が出ますね。
ふてぶてしい佇まいを最優先としたんでしょうね。他の怪獣ソフビに比べると、可動が犠牲になっている部分はあります。
メビウス初登場ということで、ACTと絡ませてみた。
背中側を取ると、ハリセンボンのようにも、体内爆発の結果、棘が外に突き出たようにも見えますね。
メビウスが赤なので、青を基調としたケルビムとの色的な対比が見事です。
市街地でのバトル。
長い角、胴体と手足の体表の感じ、突き出た牙、などに共通点があります。
劇中では、二回目に登場したケルビムに、思いっきり操られてましたね、アーストロンさん。
モチーフの一つとなったバラゴンとの比較。
最近、シンウルとゾーフィさんの出番が多いのは、ポーズが付けやすい+棚の一番手前にいるからです。
ということで、ケルビムのソフビでした。
人気があるのもわかるなあ。正直、メビウスで初めて見た時は衝撃でしたもんね。
ウルトラシリーズ生誕40周年でも、まだまだ怪獣デザインで、こんな凄いのが出せるんだって。本当に、ケルビムはメビウス期の怪獣造形の傑作だと思います。素立であっても、アクションやらしても、とにかく映える。再演に次ぐ再演の席が用意されているのも、分かる気がします。
設定的にも、宇宙のギャングみたいな怪獣だから、序盤~中盤の強敵として登用しやすい。Zでは後半期になってから、かなりの脅威として登場しました。その際は無限に増殖するなど、宇宙怪獣ならではの色んな設定を付加しやすい。そんな懐の広さも、使われやすい理由の一つかもしれませんね。
少し剥げもありますが、一生の宝物です。
メビウス以降~ニュージェネ全盛期の今に至るまでの平成ー令和怪獣の中でも、特に素晴らしいデザインと造形、アクションの怪獣だと思います。このソフビも、劇中のケルビムを忠実に再現した、非常に満足度の高い一品。ただ、可動には難ありです。
ウルトラアーツにおいて、ゴモラ、アントラ―、グドン、ブラックキングなど、昭和を代表する怪獣たちはアーツ化されてきています。そして今年の1月に、ついに平成怪獣第一号として、ゴルザが販売された。次は、引き続き平成怪獣をラインナップに加えていくんでしょうか。個人的には、平成第二号はぜひとも、このケルビムをご検討願いたい。だって、コスモス〜メビウス期の怪獣の中で初登場以降、ここまで繰り返し使われている怪獣って、中々いないっすよ!! もはや平成怪獣の裏番的風格さえ帯びているじゃァありませんか。大好きなケルビムが、ソフビだけじゃなくて、超可動のハイクオリティ・アクションフィギュアとして世に出る――そんな嬉しいサプライズの来る日が、どうか現実になって欲しいなあと、ソフビ片手にそんなことを思っております。