ベムスターはともかく、改造ベムスターって(笑)
ウルトラマンタロウには、過去シリーズの怪獣や宇宙人の二代目が数多く登場しましたが、いずれも着ぐるみの造形は、ちょっとヘタっとしている。ただですね、この改造ベムスターが登場したタロウの回は、ほかにベロクロンやサボテンダーなどの改造超獣が登場し、街が爆発爆発大爆発の、すっごい豪華な特撮でした。これだけでも一見の価値ありです。
ぐるりと一巡してみましょうか。
舞台はガスタンクのある工場?
すっかり踏み荒らされて、名残をとどめているのは二つのガスタンクだけですね。
ベムスターの背中。
きめ細かいですねえ。尻尾の先端の黄色が良いアクセント。
爆炎? に埋もれるように、赤白の煙突があります。
こっからの角度では、工場らしき建物がありますね。
この角度からだと、両者の対格差が際立って見えますね。
改造ベムスターの背中。
腋のひだひだ部分に、改造怪獣であるがゆえの粗さを感じます(笑)
躍動感のあるベムスター。
やっぱりベムスターの横幅のボリュームは絶妙ですね。
両者をじっくり見てみましょう。
宇宙大怪獣ベムスター。
つぶらな瞳、口の中の歯、腹部の吸引口。きちんと塗分けられています。
特に瞳と歯が素晴らしい。寄りで眺めても、ムラが見つかりません。
一方の改造ベムスター。
こちらも歯や吸引口を丁寧に塗分けています。
目は元祖とは違って、瞳が目立たない配色。これが劇中では内側から発光します。エネルギーを腹部から吸引するとき、瞳がぐりんって上がるんですよね。ハッパでラリっているようで、すっごくヤバい目でした。
二つをジオラマから抜き出してみた。
なんか可愛いなおい(笑)
腰部のふさふさの長短など、改造ベムスターは全体的に幅を控えめにしている印象です。よりアクターの体の線が目立つフォルムですね。
舞台はこんな感じ。
もこもこ上がる土煙にうずもれる工場。
ガスタンクには梯子もついている。
本当に細かいな。
タンクの上を飛んでいるのは、改造ベムスターを操っている、改造ヤプールの円盤です。
この回に登場した怪獣や超獣はすべて、この改造ヤプールが出現させたものなんですね。ちなみに改造ヤプールは当時の少年誌で、「ウルトラマンに勝つために自分の体に改造を重ねた結果、非常に醜い姿となった」と書かれていたらしいです。そこまで言わんでも……。
二つあるうち、一つはタンクが破れております。
中にあったガスが、一方向に流れていきますね。
これがどこに行くかというと、
ベムスターの腹部に吸い込まれていくわけですね。
緑の柵? 畑? よくわからない造形もあります。
その横のガスタンク、銀の〼型の柵の塗分けもすごい。
アオリで一枚。大食い王の名をかけてにらみ合う両雄。
タロウを再放送で見ていた世代にとっては嬉しいジオラマです。改造ベムスターなんて、こんな機会でもないと絶対にフィギュアにならないから。しかも、すごく丁寧に造形されている。組み合わせのマニアック感も含めて、怪獣一つ一つを大切にする志に、わたくし感銘を受けております。このシリーズが続いていたら、ほかにどんな「渋い」カードが出てきただろうかと考えると、非常に惜しい気がしますね。