発売当時は、ゼロ・メビウスに次いで新しい方のウルトラマンだったマックス。V2ウルトラマンの次、レッドキングと同時期にリリースされました。
コスモスーーネクサスーーマックスーーメビウスと続く中で、原点回帰の色を強くしたのがマックス。特に前がネクサスだったこともあり、より明るい方向にシフトした作風でした。
原点回帰といえば、過去ウルトラマン、特に昭和ウルトラマンの人気怪獣が、オマージュではなくて、そのまんまのデザインや造形で登場しだしたのもマックスから。次のメビウスでそれがいよいよ定番化します。ニュージェネでは昔の人気怪獣の復刻ばかりで、新しい怪獣が出ないのが寂しいところですか、そうなる前の程よいバランスの温故知新スタイルがマックス。平成ウルトラシリーズの中でも、かなり重要な転換点だったんですねぇ。
前から見た図。
ACTらしい、理想のプロポーション。
特にこのマックスは足長で、凄く良いスタイルに感じます。
横から。
全体的な印象としては、細マッチョな身体に対して顔のボリュームがそこそこある感じですね。正面からだとしゅっとして見えるのに。
独特な装飾は、胸周りと肩パッド。そしてマックススパーク。
赤・銀・金という彩色も綺麗ですね。その中でカラータイマーとビームランプの青が特別映える仕様になっています。
背中。
肩甲骨の辺りが複雑な以外、あとはスッキリした構造。装甲はメカメカしいというより、中世の鎧の印象が強いです。
顔のアップ。
セブン似ではありますが、口元や額などは全然違う。カラーリングで騙されそうになるだけで、実は相当オリジナル色の強い顔です。
正面から見て、ここまでなめらかな雫型の輪郭も珍しい気がするし。
斜め上から見ると、マクシウムソードが収納されているのが分かる。
平成ウルトラマン特有の削り型の頭部なのかと思いきや、コスモスのルナモードに次いで、昭和感のある顔つきのようです。
胸のプロテクター。
本物ほどの重層感はありませんが、細かい仕事です。このデザインだからか、天使っぽくもありますよね。
可動は優秀。
一皮剥けたあたりのACTの規格で、非常に安定した可動域を誇ります。
ただし、足が長いのと、僕の引いた個体の右足にやや角度がついているのとで、ポージングによっては自立が難しいことも。
セブンのファイティングポーズ。
やっぱり赤トラマンは、この体の前で拳を握っての構えが良いと思うのですよ。
足はここまで広がる。
この角度でちゃんと自立するのは凄い。
バランスがしっかりしてるんでしょうね。
交換手首と光線エフェクトが行方不明なので面白みに欠けるかもしれませんが、一通りのアクションが可能です。
膝立ちも難なくできる……と言いたいところですが、僕のは右足の膝関節の塗料が固まってしまって、動かせるようになるまでに苦労しました。
マックスというと最速のイメージがあるので、ポージングも勢いかつスピード感あるものが決まります。
足の角度に若干のクセはありますが、各部が渋いのと、全体のバランスが取れているのとで、とにかく保持力が見事。
これで安定して自立できるのは素晴らしいですよね。
飛ぶマックス。
首も独特な構造になっており、やや猫背気味にはなるものの、しっかり上を向けるようになっている。
明らかに造形の元ネタの一つであろうセブン師匠と。
ACT初期は、とにかくウルトラマンによってクオリティと可動の良し悪しが極端で、マックスの前のゾフィーやダイナで、ブラッシュアップの波が押し寄せてきていました。あと、どんどん理想のプロポーション化が進んでいく頃でしたね。このマックスも、劇中の再現というよりは、アクションフィギュアとしてカッコいい、ヒーローとしてカッコいい造形を目指しており、そっちでの満足度はかなり高いです。
胸元のプロテクターの見事な作り込みといい、若干の芸術性さえ窺えるマックス。アクションフィギュアという形で手元に置いているからこそ見えてくるウルトラマンの魅力、たくさんあると思います。