予約から発売当日まで、とにかく色々あり過ぎたウルトラマンティガの初アーツ。
ついに到着しました。
じゃじゃん。
こちらはウルトラマンショップにて予約購入。この頃は、並べばまだ何とか買えた。
ティガ以降、青田買いが始まってもは店舗予約では買えないようになってしまいましたね。
裏のパッケージはこんな感じ。
中身が見えません。真骨彫では当たり前のことなのですが、中身を見ずに書くというのは結構な賭けでもあります。
シンウルみたいに、裏面の一部だけ見えるとかにしてくんないかなあ。まあ、選ぶ余裕がないほどの即完売、というかそもそもほとんど店頭では並んでおりませんが……。
ただ、この黒いパッケージはカッコいいですね。すごく高級感があります。
早速開封してみた。
おおっ、これはティガだわ。ウルトラマンティガだわ。
スーツの皺感も含めて、とにかくリアルなウルトラマンティガのフィギュア。造形的には100億点くらいあります。決定版と言っても良い。
色使いも綺麗ですね。
発売までの小出しなレビューとか写真と言った予備知識をまったく入れずに当日を迎えたので、パッケージ裏に載っている暗めの写真しか知らなかったんです。実際に開けてみると、非常に鮮やか、しかし抑揚の効いた色彩に目を奪われました。
後ろまで抜かりなし。
ただこのティガは、左肩の銀色の部分の塗りが若干雑ですね。あと、プロテクターの一部に黒い汚れが付着しておりました。
真骨彫を謳っておきながら、塗りの部分は普通のウルトラアーツの方が丁寧なように感じてしまいます。
顔のアップ。
おおっ、ティガだ(二回目)。
眼のダイヤモンドカットが凄く良いです。角度を付けると、ほんとに美しく輝きます。
さて、普段のウルトラアーツにはない真骨彫の特徴として、軟質素材があります。
僕は勘違いしておりまして、腰回りだけだと思っていたのですが、実際は――
胸部・腹部・肘など、けっこう多くの所が軟質素材なんですね。
そのため、たとえば前にレビューしたMAFEXのシンウルトラマンの難点であった、腹部と腰回りの間に空いてしまう隙間なんかは、全く生じません。そして角度の微調整も、恐ろしいくらいに細かい間隔で行えるようになっております。
さあ、それでは動かしてみよう。
シュワッチ!
自立は完璧です。非常に安定感のあるプロポーション。
構え。
胸部・腹部が違和感なく動くので、どんなポーズでもバッチリ決まります。
こいつは凄いな。
足は引き出しタイプで、だいだいここくらいまでは開く。
プロテクター部分も軟質素材であり、
肩の角度に合わせて柔軟に延びるので、ACTのように別プロテクターを付属させる必要もない。
これ単体で、面白いほど遊びつくせますね。
一番やりたかったポーズ。
膝立ちも凄く簡単です。
腹部が色んな方向に動くので、身体が傾き過ぎるということがない。しっかり、ここぞという位置で止まってくれます。
よっこらしょ。
膝立ちやヒーロー着地ポーズは、ACTのネクサスの時から課題でしたもんね。試行錯誤を繰り返して、今ようやっと、究極が完成した感じです。
マン兄さんのファイティングポーズを真似て。
ティガの戦闘スタイル、特に構えの際は、マン兄さんを意識してか若干猫背だった気がします。
光線エフェクトも1つ付属。発射してみましょう。
こうして
こうやって
この胸の前クロスが、何度やってみても中々上手くいかなかった。
そんでこうして
少しアオって
こう!
こう!
こーう!
ゼぺリオン光線!
飛びながらでも、ゼぺリオン光線!
光線エフェクトについては、これまでのACTやアーツとは異なり、肘から取り替える仕様です。
また身体の前クロスを実現するために、
クリック関節によって肩を前に引き出すことができます。
恐らく軟質素材との干渉から、クリックで保持する必要があったのでしょう。普通のボールジョイントだと軟質素材の抵抗に押されて引き出したままの状態を保てないのだと思います。
これが、相当クセがありまして、最初グッと動かした瞬間、腕がぽろっと取れました。
その後コツを掴んでできるようになりましたが、左の方の保持が少し弱いようにも感じます。
この肩の引き出しがけっこう印象を変えて、
肩を引き出すとこんな感じ。
こうした癖はありますが、イメージしたポーズが簡単に決まる気持ち良さには、極上のものがあります。
彩色もあってか、他のアーツ以上に「重み」や「厚」を感じるんですよね。
他のアーツよりもボリュームあるように感じません??
ストレスなく腰を落としたポーズを付けることができます。
美しいですねえ。
ウルトラマンは美の化身でもありますからね。造形「美」は一流です。
造形的には前述の通り100億点。ただしアクションフィギュアとしてはけっこうクセがあり、普通のウルトラアーツに比べても、遊びにくい所や、ひやっとするところはあります。軟質素材も、微調整に長けている点や隙間が生まれない点などは間違いなく美点ですが、残念ながら温度や経年による劣化は避けられそうにありません。肩のクリック関節が逆に腕の角度を限定させてしまい、ポーズが決めにくい所もちょっとやりにくい所ではありますね。
ただ、やっぱり膝立ちができるのが素晴らしいし、アーツ以上に色んなポーズが実現できることが真骨彫に欠かせない魅力ですよね。そこは本当に素晴らしいし、とにかく造形が最高でカッコいい。現行可能な技術の限界を超えた再現度で、満足できる一品ではあります。叶うなら、今後の再版や改善で、より素晴らしいものに仕上がっていってほしいなと思います。
~追記~
こっから先は、人によっては不快に感じるかもしれないことを書きます。
今現在、真骨彫ティガは店舗のほとんどすべてで完売。次の生産および販売もどうなるか分からない状態です。一方、ネット上では転売(クズ)による異常な高値での取引がなされております。まだ買えていない人は涙を呑んで転売価格に手を出しがちですが、老婆心ながら指摘しておくと、この真骨彫ティガを正規ルートで入手しないのは――入手できない現状が問題だということは重々承知した上で――、かなりのリスクを伴うと思います。
まず真骨彫についてはパッケージを開けるまで中身が分かりません。にも拘わらず、今回のティガには細部にエラーが多そうです。僕の持っているティガも、2カ所に塗装のミス? あるいは汚れがあります。個人的には許容範囲なので、そのままにしてありますが、軟質素材の塗装が、まだ触っていもないのに色移りしているなどのエラーがあった場合、転売屋という「個人」から買ったものについては、バンダイなり店舗なりに連絡して交換してもらうことが、できません。転売屋が製品と一緒にその製品のレシートを送ってくるということが果たしてあり得るかどうか……エラーの対応について、非常にリスクを伴うことがまず転売屋から買う際のデメリットの1つです。
もう一つは軟質素材です。これが真骨彫ティガの最大の特徴であり、ポージングにおける最大の強みであり、保存における最大の課題です。この軟質素材が劣化する、罅割れするのは実際のところ避けられない部分だと思います。経年劣化は全てのアクションフィギュアに共通して言えることですが、軟質素材は温度が重要になってきそうです。手で触って動かしているだけで、腹部や胸部が若干、柔らかくなってくるし、指紋も目立ってくる。悪く言うと、若干ベタついてくるんです。埃も付いて見栄えが悪くなってきます。これまでのウルトラアーツ以上に、そういう部分で気を使わなければフィギュアであることには間違いありませんが、転売屋がそこまで気を使って取引まで製品を保管しておいてくれるかどうかは分かりません。もちろん、ヨドバシやウルトラマンショップでどんな風に保管しているのか、その保管方法と転売屋が自宅に製品を置いておくやり方が同じなのか違うのか、それも不明瞭なところではありますが、ウルトラマンが好き、ティガが好きという人の心を踏みにじって青田買いし、定価の2倍以上の値で売るような人でなしが、そんなところに気配りするはずがありません。検品から発送まで、一応は所定のルートを取っている製品にはやはり安心感があるし、仮にエラーがあったとしてもアフターケアの可能性は増えます。転売屋にはそれがない。そこが、今回の真骨彫ティガについては一番怖い所です。転売屋撲滅! を目的に掲げての不買運動以前に、この製品を転売屋での取引で行うのは正直怖いところではあります。そういったリスクを伴う製品であることは、強く指摘して起きた所です。
「手に入ったからそんな悠長なこと言えるんでしょ?」と言われてしまえばそれまでだし、上から目線と言われればそうなのかも知れませんが、買って実際に遊んだからこそ、この真骨彫ティガが持っている魅力についても欠点についても体験的に知ることができた次第です。今後、バンダイが今の状況を把握して、そしてこの真骨彫ティガの価値と、内包している課題とを見極めて、どうにかしてアーツのシンウルトラマンくらいにまでは供給を拡げ、少なくとも定価で、本当に手に入れたい人のところにちゃんと行きわたるようになってほしいなと心から思います。