ロボット怪獣 クレージーゴン | 怪獣玩具に魅せられて

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ウルトラセブンの38話「勇気ある戦い」に登場した、ロボット怪獣クレージーゴン。
セブンのロボットと言えば、一般的にはキングジョーなのでしょうが、個人的にはこのクレージーゴンが好きなんです。シブくて、かっこいい。

ソフビは今現在、発売されていません。今回紹介するのは1993年のものです。

30年近く前のソフビながら、すごくクオリティが高くて驚きますよ。

 

前から見た図。

足の左右バランスが悪いので、ちょっと斜め気味。

右側のアームがデカくて重いので、自立させるにはちょっとコツが要ります。

 

横から見た図。

クレージーゴンは構造が面白いんですよね。自動車の解体工場の建物に足が生えて動き出したみたいなデザイン。

元々クレージーゴンは、バンダ星人が地球の鉄資源を奪うために送り込んできたロボット。だから防御力が高いというより、工場建物の頑丈さが、そのまま驚異の防御力に繋がっているという、その設定も面白い。

 

後ろから見た図。

上の方は、工場っぽく煤けています。

色の塗り分けはほとんどされていない。ベースの、ざらついた濃い薄茶色が全体の8割くらいです。

まあロボットなんでね。怪獣の生態的なグラデーションはなくても違和感はないか。

 

ただ、頭部は塗り分けも見事で、造形的な情報量や作り込みが秀逸です。

眼? と口? に当たる部分の歯車の作り込みなんてすばらしい。30年前のソフビと雖も、侮ることができません。

てっぺんのレーダーや銀色の四本の突起、全体の輪郭にそって並ぶボルトなど、とにかく芸が細かい。これは大したもんです。

 

右のアームを持ち上げたスタイル。

これだと自立します。少し体が傾いでますが、このアンバランスな造形で立つってこと自体が凄いじゃないですか。

これって本当は、左腕ももう少し何かしらの造形が付く予定だったらしいですね。その前に納品されてしまったんだとか。

デザイン元はシオマネキだと言われていますが、本当はザリガニだそうですよ。

 

右側のアーム。

車を掴みやすいようにか、ハサミ部分も上下で構造が違うんですね。

そう言った細かい所を表現してナンボの、ウルトラ怪獣シリーズ。いやはや、御見それしました。

 

 

腹部は、シャッターが下りています。

ここに捕まえた車をどんどん放り込んでいく。

劇中では、右側のアームを使って、器用に車を放り込んでおりました。

その車のミニカー感も含めて、クレージーゴンが暴れるシーンはジオラマテイストがすごく良かった記憶があります。

ゴンは足が可愛いですね。ぼてぼてごてごてした身体を、このほっそい足で支えてるんだから健気な足です。

 

いやあ、雰囲気100点じゃないですか。

キングジョーのような、戦闘特化的ヤバさはありませんが、クレージーゴンも凄く強かった。ありとあらゆる攻撃を、その硬さで撥ね返し、機械特有の機動力でセブンを跳ね飛ばしながら前進していく、その難攻不落さにはシビれました。だからこそセブンも、最大の禁じ手を使うしかなかったし、セブン状態での戦闘前後から、かなりぼろぼろになっていましたよね。

 

ということで、ACTのセブンと。

ちょっと背が低いかなあ。ただ、ソフビとしてのバランスを考えると、これくらいの大きさがベストなのかもね。

 

 

セブンとの戦い。クレージーゴンの右のアームが、セブンを捕らえた!

つねる。

セブン「あだだだだだ!」

 

胴体はロボット特有の左右対称。特に頭部は建物的な構造が上手く取り入れられています。

 

 

隠れた名作ソフビ、クレージーゴン。

後年、ウルトラマンコスモスに登場したクレーバーゴンは、クレージーゴンのオマージュ的なキャラクターでしたね。ただあれは、けっこう着ぐるみスタイルというか、頭部と胴体がはっきりした構造で、クレージーゴンのような建物風な趣はなかった。帰ってきたウルトラマンのビルガモも同じ。そう考えると、本当に唯一無二のロボットデザインだったんじゃないか。このソフビも、クレージーゴンだけにしかない魅力が十二分に入れ込まれている感じがあります。