ムービーモンスターシリーズ 暴竜アンギラス | 怪獣玩具に魅せられて

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ゴジラ・ガメラ・ウルトラマン、その他たくさんの特撮怪獣玩具を紹介します。

これもかなり古いソフビですね。
『怪獣総進撃』にてひさしぶりに登場したアンギラス。いわゆる、2代目アンギラスと呼ばれているものです。

アンギラスと聞くと、大体の人がこの姿を想起するんじゃないでしょうか。そもそも、アンギラスって名前の怪獣がいること自体、今の世の中にどれほど浸透しているのやら……


横から見た図。
アンギラス自体は、1954年『ゴジラの逆襲』に登場。大阪を舞台にゴジラと死闘を繰り広げました。二つ名の「暴竜」が示すように、性格は至って凶暴かつ自分以外の種族に対して激しい憎悪を抱く好戦的な怪獣。着ぐるみの作りの粗さもあって、非常に悪辣かつ凶暴な、文字通り「暴竜」の登場だったんですね。

それから13年ぶりくらいに再登場したアンギラスは、『ウルトラQ』などの影響により怖さを排除。より愛嬌のある協力怪獣としてのキャリアをスタートさせます。一方でその地位は急速に低下。『地球攻撃命令』では、ゴジラの舎弟にまでなりさがってしまうんですけどね……。



このアンギラス、映画本編での扱いはイマイチですが、すごく良いデザインだと思います。
ウルトラシリーズによって、怪獣が身近なものになりつつあった時代。ゴジラも善玉的扱いが当たり前になっていました。そんな中で、暴竜アンギラスを善玉的にアップデートするとなると、これしかなかったんじゃなかろうか。

アンギラスを象徴する背中の棘は、金色。
54年『ゴジラの逆襲』はモノクロだったので、カラーでのお目見えは『怪獣総進撃』が最初。金色の棘というのは、ずいぶん思い切ったカラーリングですよね。全身金色のキングギドラが成功したからこそのカラーリングかな。今となっては、これ以外の正解が思いつかないほど、ハマっていると思いますが。



顔のアップ。
どことなく、東洋の龍を思わせます。
これは、初代も同様でしたね。


四肢や腹部のディテールも、中々頑張っている。
実際はこんなに規則正しい鱗状ではありません。でも子どものおもちゃとして手に取る場合、この方が良いですよね。


上から見た図。
背中の金色が引き立ちます。
爪、角、牙も金色なんですね。怪獣ならではの色使いが面白い。

四肢は一応動きますが、四つ足、しかも後脚が膝立ち状態なので、ポージングは限定されます。
無理に立たしても、バレリーナみたいになってしまう。



やっぱ、このどっしりした感じが良いですね。
この後脚膝立ちは、日本の着ぐるみ怪獣、特に四足歩行の怪獣を表現するときにいつも付き纏う問題ですよね。普通に考えて、こんな歩き方をする生物はいない。人間の関節がどうしても四足歩行にならないから、やむなく膝立ちにしている訳で……そう考えると、『ウルトラマン』のドドンゴは、すごいアイデアだったんだなぁ。


足裏には刻印があります。
1998 東宝
ボウリュウ
アンギラス

と書いてありますね。
発売後すぐに買った記憶があるので、23年の付き合い。なかなか感慨深いものがあります。


顔のドアップ。
イケメンですよね。
昭和ゴジラの中期〜終盤って、主役のゴジラの着ぐるみやデザインは劣化の一途を辿る反面、新怪獣の造形を頑張ってたんですよね。ガイガンとか、メガロとか。このアンギラスも、『怪獣総進撃』の目玉だったのかなと思うくらい、新造形に気合いが入っていました。


その後、けっきょく劣化するんだけどな…


敵であり、相棒でもあるゴジラと。
逆襲ゴジとは違うので、厳密なコンビではありません。逆ゴジの、ムビモン欲しいなぁ。ゴジラストア限定とかでも良いからさ。


扱いは悪いけど、東宝怪獣を代表する怪獣の一体であるアンギラス。実は、日本特撮怪獣史を考える上で欠かせない、キーポイント的怪獣でもあるのです。